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ステンレス鋼の腐食の原因と対策

ステンレス鋼は、特有の金属光沢があり丈夫なことから、広い範囲で活用されている素材です。ステンレス鋼は通常腐食に強い素材とされていますが、一定の使用条件においては腐食することがあります。ステンレス鋼の腐食の原因について、腐食のタイプと対策について見ていきましょう。

ステレス鋼の腐食原因

ステンレス鋼の腐食原因にはどのような種類があるのでしょうか。考えられる腐食の原因についてご紹介します。

塩化物の付着

海岸地帯での使用や、人間の汗が付着するような環境で起こるさびです。ステンレス鋼表面に付着した塩化物イオンによって、表面の不動態皮膜が不安定となり、さびが発生します。

付着物によるさび

砂やほこり、煤(すす)などの微細な飛来物がステンレス鋼に付着する場合、さびが発生することがあります。これらのさびは、付着物のためにステンレス鋼表面へ酸素が届きにくくなって表層の不動態皮膜が不安定化したり、付着物が塩化物の付着を助けたりするために起こるのです。

もらい錆

保管環境・使用環境によって、他のさびやすい金属の鉄粉がステンレス鋼に付着することで起こるさび(もらい錆)です。さびやすい金属はもちろん、それらが塩化物などの付着を助長するため、ステンレス鋼自体にもさびがつきます。鉄道付近や鉄工所の付近などで起こりやすいさびです。

塩酸や硫酸などの付着

硫黄、酸などを含む工場排ガス、排水、または温泉地の大気などを原因として起こるさびです。これらの物質がステンレス鋼の不動態膜を損ねることで腐食が始まります。

ステンレス鋼の腐食対策

ステンレス鋼の腐食を防ぐために取りうる対策にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれ、腐食が起きないような対策をご紹介します。

もらい錆対策

もらい錆は、海岸地帯や工場地帯・鉄工所の近辺などの環境にあり、塩化物イオン、金属粉、砂などの付着・堆積を受けるものに発生することが多いです。この場合、雨や洗浄によって定期的に付着物が洗い流されるような環境に置くことで、もらい錆を防止できます。

粒界腐食対策

金属組織を構成する粒界に腐食が生じる「粒界腐食」は、金属製品の製造時に450℃〜850℃で加熱された場合にクロム炭化物が生成されます。このとき粒界からクロムが失われることが原因で起こる腐食が粒界腐食です。クロム欠乏状態に陥った金属は耐腐食性を損ねるため、この部分から腐食が始まります。

粒界腐食を防ぐ方法には主に2通りです。1つ目は、クロムがクロム炭化物に変化してしまった後のステンレス鋼を再び高温で固溶化熱処理することで、クロムを金属内に再び戻す方法があります。2つ目は、炭素含有量の少ないステンレス鋼を使用し、クロム炭化物の生成を軽減することです。

孔食対策

塩素イオンを主な原因として、ステンレス鋼の耐腐食性の要となる不動態被膜が孔状に破損してしまうことで起こる腐食です。対策としては、付着した塩素イオンを洗浄すること、塩素イオンがステンレス鋼の表面に滞留しないように海水流速を一定以上に保つこと、モリブデンを添加したステンレス鋼、またはクロムが多く含まれるステンレス鋼を使用することなどがあります。

すきま腐食対策

ネジ締め部位などにほんのわずかな隙間ができ、隙間内部が酸欠状態になることで起こる腐食です。これを防ぐためには、根本的な対策として隙間が発生しないような構造に変更すること、また、それ以外にはクロム、モリブデン含有量の多い素材の使用、隙間部分に防食剤を使用するなどが考えられます。

応力腐食割れ対策

応力腐食割れとは、使用時に部材にかかる応力や製造時の残留応力が積み重なって、やがて素材の破損に至る形の腐食です。防止策としては、応力のかかり方の設計上の見直し、熱処理による圧力軽減、塩素イオンなどの腐食促進物質の除去や清掃、高温状態の回避などがあります。また、特に応力腐食割れに強いSUS304L、SUS316Lなどを使用するという方法もよいでしょう。

ステンレス鋼は腐食耐性の高い特質を持つ金属ではありますが、正しい使用環境に置かなければさびを発生してしまいます。使用環境中に含まれるさび誘発因子に対応した適切な防食を行うことで、ステンレス鋼の耐用年数を伸ばすことができるので活用してみてください。


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