本書は、広範な「情報セキュリティ」という分野について、基礎的な部分を一通り網羅して学べるようにした本です。既存のツールやソフトの使い方を紹介するのではなく、できるだけ自分の手を動かして理解しながら読み進めていく形式にしました。具体的には、Web、暗号、ネットワークなど、情報セキュリティにおいて取り扱われることの多いトピックについて、プログラミング言語Pythonによる実装を交えながら、攻撃手法や防御技術の原理を理解していきます。本書で攻撃者の手の内を知ることができ、またそれを防御に生かすという意味で非常に役に立つでしょう 世の中には既に便利なツールやライブラリがあるのに、「ファジングツールの自作」や「簡易サンドボックスの実装」をあえて行う目的は、その原理をより深く理解するためです。このことがきっかけとなって、情報セキュリティをさらに深く学んだり、「これは面白い!」と感じられる興味分野を見つけるきっかけになってくれたら幸いです。 本書を読み終えたならば、新しい技術を創造できるエンジニアになるための一歩を踏み出したといえるでしょう。