使用シーンに合わせた物干し
物干しの種類と用途
物干しといえば、庭などの地面に置いて設置するいわゆる「物干し竿」が一般的です。しかし、それ以外にも設置場所に合わせた多様な構造のものがあり、さまざまな場所で活用することができます。各種の物干しの特徴や用途はどのようなものでしょうか。
掃き出し窓やベランダの窓壁に設置するタイプの物干しです。壁面に取り付けられるため、面積の狭いベランダで使用するとスペースの有効活用に役立ちます。
壁面の低い位置に取り付けるタイプの物干しです。取り付けた腰壁の高さに竿を渡すタイプと、取り付け位置から上方向に軸を延ばして高い位置に竿を渡すタイプの二種類があります。 腰壁の高さに竿を渡すタイプでは、丈の短いものに限っての使用や、壁を利用して干す物の目隠しをしたい場合に有用です。
軒天から吊り下げるタイプの物干しです。耐荷重はそれほど大きくありませんが、置型や壁面に設置するものに比べて、周辺スペースがスッキリとします。
高さが調節できる室内用の物干しで、洗濯物を掛けた状態でも楽々高さを変更できます。また、使用時だけ下ろし、使わない時は天井付近まで上げておけば物干しが目立たず、居住空間の邪魔になりません。
室内用昇降式と同じく、天井から吊り降ろすタイプの室内用物干しです。こちらは、使用する時に取り付け、それ以外の場面では取り外して隠しておけます。例えば、来客時には取り外しておくことで室内がスッキリするなど、効率的な空間の利用が可能です。
窓枠に取り付けて使用するタイプの室内用物干しです。窓枠のサイズが基準となるためやや小型の物干しではありますが、日当たりの良い窓際のスペースを有効活用できるメリットがあります。
地面に台を置いて立てるタイプの一般的な物干し竿です。やや場所をとるのが難点ですが、耐荷重・安定性に優れます。十分なスペースが取れる屋外や広いベランダ、屋上などにおすすめです。
物干しの材質
物干し竿は、材質の違いによってもそれぞれ異なった特色があります。代表的な3素材、スチール、ステンレス、アルミそれぞれの特色と、選び方のコツをご紹介しましょう。
最も古くから存在する金属製の物干し竿で、スチール製のパイプにポリ塩化ビニルなどの樹脂をコーティングしたものです。素材の特性上、湿気に弱く、雨天に晒されたり洗濯物の湿気などを吸ったりすることでサビを生じます。 また、パイプの内部に水がたまり、サビが混じった汚水が出て干し物に付着することがあるので注意が必要です。
サビに弱いスチール製物干し竿に代わって、台頭したのがステンレス製物干し竿です。スチール製のパイプに、ステンレスの薄い膜を巻きつけたステンレスクラッドと、全体がステンレスでできたオールステンレスの二種類あります。
前者は安価で、入手しやすいことが利点です。しかし、強度やサビ耐性ではオールステンレス製に劣ります。一方オールステンレス製は丈夫ですが、屋外で使用する際は飛来鉄粉による黒ずみ、サビの誘発に注意が必要です。
強度の高いアルミ合金を用いた物干し竿です。アルマイト処理、ウレタン樹脂等でのコーティングなどにより、軽量ながらサビやたわみに強い特性があります。
物干しには、設置場所や竿の材質によっていろいろなバリエーションがあります。使用シーンに合わせて最適な物干しをご選択ください。