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車の電装用リレーのしくみ

リレーとは「継電器」とも言い、その名の通り電力を中継する仕組みのことです。リレーは、電磁石(コイル)、接点機構の2つの要素からなり、電磁力を利用してスイッチのオン・オフを行うことを目的とします。リレーは、車の電装品を制御するスイッチや家電の電気系統など、活用範囲の広い重要な技術です。

リレーとは

リレーとは、スイッチ等から回路に電気信号の入力を受け、その電気信号を受け取って出力部分に伝える機構のことを指します。簡単に言えば、電気を用いて遠隔操作できるスイッチのシステムのようなものです。

リレーの活用範囲は非常に幅広く、産業用ロボットなどの大型機械から、OA機器や白物家電など私たちの生活に身近な小型機械まで多岐にわたります。特に、自動車の電気系統を制御する車載リレーはリレーの重要な用途です。 自動車には、ワイパー、エアコン、ライト、パワーウインドウ、ワイパーなどの様々な電気設備が搭載されています。

これらのスイッチの大半は運転席のハンドル付近に集約する必要がありますが、それぞれの電気系統を引き伸ばすと回路が長くなり電力ロスが大きくなったり、感電の危険性が増したりします。 そこで、ハンドル付近のスイッチを通じて各電気系統を遠隔でオン・オフ出来るようにしたのがリレーの仕組みです。一般的に1台の自動車につき数十個のリレーが搭載されており、複雑な電気設備の実現に役立っています。

リレー

リレーの動作原理

リレーの仕組みを解説いたします。リレーは、非常にシンプルな構造の電気部品です。リレーは、エナメル線を巻いた電磁石(コイル)と接点機構(スイッチ、鉄片)で構成されています。 電磁石に電流が流れることで発生する電磁力によって、接点機構のオン・オフの切り替えを行ったり電流の流れを切り替えたりするのが基本的な構造です。

電磁石部分と接点部分は回路的に独立しており絶縁されています。そのため、リレーを含む機械は、高圧電流が流れる機械のオン・オフを人力で操作する際、万一の時に作業者の身を守る働きも期待できるのが特徴です。

リレーの機構は大まかに3つに分けることができます。1つは、メカニカルリレー(有接点形リレー)で、接点が機械的に開閉しオン・オフを切り替えるものです。もう1つは、半導体リレー(無接点形リレー)で、接点が半導体によって電子的に制御されています。 また、両者を組み合わせたものをハイブリッドリレーといい、これはオン・オフの指示には電子的信号を用い、実際の通電には機械的な接点を利用するものです。

リレーの種類

リレーは非常にシンプルな原理の機構ですが、その仕組みにはさまざまな工夫が凝らされています。その一部をご紹介しましょう。

ヒンジ形リレー

電磁石に発生した電磁力によってヒンジ部分を支点として鉄片(接極子)などを吸引し、その動作によって接点の開閉を行う仕組みのリレーです。 最もよく使用される構造で、電磁石に通電中は鉄片が電磁石に引き寄せられ、直接的または間接的に回路を動作状態にします。通電が終わると、鉄片は復帰バネの引き戻す力によって元の位置まで復帰し、回線は休止状態に戻ります。

プランジャ形リレー

プランジャ形電磁石を用いたリレーです。プランジャ形電磁石は、コイルの中にプランジャが差し込まれることでプランジャ側にも電磁力が発生するため、強い磁力が得られます。稼働距離を大きく取れるので、大型のリレーによく利用されるのが特徴です。

ハイブリッドリレー

接点として一対の磁性リードを用いたリレーをハイブリッドリレーと呼びます。磁性リードはガラス管などで包まれており、ガラス管の周囲に巻きつけたコイルによってリードを動かし、接点を操作するのが基本的な構造です。

まとめ

リレーは、電磁石と接点機構という非常にシンプルな構成要素でありながら、回路の電気の流れを制御する重要な役割を担います。リレーの役割をよく知っておくことで、自動車の電装品の取り付け・取り外しなどの作業への理解がより一層深まることでしょう。