工具の通販モノタロウ ワイヤーロープ ワイヤーロープの種類と選び方

ワイヤーロープの種類と選び方

ワイヤーロープは種類やロープ径が非常に多いので、どれを選べはよいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。用途に応じて安全に使用するために、この記事ではワイヤーロープの種類と選び方を解説します。

ワイヤーロープとは

ワイヤーロープとは、ワイヤーをより合わせて作られたストランド(小縄)を、心綱に複数本より合わせて作ったロープのことです。ストランドの本数や構造、より方などにより強度が異なります。

  • 素材はステンレスやスチールであることが多く、以下のような特性を持っています。
  • 柔軟性に富む
  • 引張強度が高い
  • 耐衝撃性や耐摩耗性に優れている
  • 錆びにくい
  • 熱に強い

主に物を吊り上げたり、吊るして固定したりする際に使用し、漁業や農業、林業、土木建築業など、さまざまな分野で活用されています。

ワイヤーロープの種類と選び方

ワイヤーロープは、クレーンなどで荷物を吊り上げる玉掛け作業用の「玉掛ワイヤーロープ」や、荷物を固定するために使う「台付ワイヤーロープ」など、非常に種類が豊富です。

なお、玉掛ワイヤーロープと台付ワイヤーロープは、見た目が非常に似ています。しかし、加工方法や法的な規定などが違うことから、台付ワイヤーロープは、玉掛け作業には使用できないので気をつけてください。

ロープ径は、吊るす物の重量や吊り方によって適切なサイズが変わってきます。用途に応じて選ぶようにしましょう。


  • 玉掛ワイヤーロープ
    玉掛ワイヤーロープ
  • 台付ワイヤーロープ
    台付ワイヤーロープ
ロープ径から選ぶ

ロープ径とは、ロープの「外接円の直径」をいい、ロープの端末から1.5mを除いた部分を2箇所以上測定し、その平均値を表した数値です。

看板の吊り下げや、果物の枝張り用として使えるロープ径0.45mmのものから、玉掛け作業用の30mmのものまで、用途に応じて幅広く展開されています。

ただし各ロープ径には、使用できる荷重量が決まっているので、そこもしっかりと確認して選ばなければなりません。

もし適したロープ径がわからない場合は、購入予定の店舗に問い合わせて確認しましょう。

破断荷重から選ぶ

ワイヤーロープを安全に使用するには、荷重量がロープの「破断荷重」の範囲内である必要があります。破断荷重とは引っ張る力に耐えきれず、破断(破損)を引き起こす荷重のことです。

例えば、破断荷重が100kgのワイヤーロープであれば、100kgの荷重をかけたら破断するということです。100kgまで耐えられるという意味ではありません。耐えられる荷重の範囲を表す「耐荷重」と混同しがちなので、気をつけてください。

なお、破断荷重の単位はkg(キログラム)ではなく、力の単位であるkN(キロニュートン)で表示されていることもあります。1kNは約102kgです。kNの単位に慣れていない方は、kgに換算して確認してください。

また、破断荷重だけでなく「使用荷重」も表示されていることがあります。使用荷重とは、安全に使用できる荷重をいいます。

例えば破断荷重が5kN、使用荷重160kgのワイヤーロープの場合、ロープが破断する荷重量は約510kg、安全に使用できる荷重量は160kgまでの範囲内ということです。

ワイヤーロープは頑丈といえども、使用年数が経つにつれて当然ながら劣化していきます。よって、破断荷重の数値ギリギリの荷重をかけて使うのは、非常に危険です。荷重量が破断荷重と使用荷重の範囲内であるワイヤーロープを、必ず選びましょう。

まとめ

さまざまな分野で活用できるワイヤーロープは、用途に応じて適切な種類やロープ径を選び、安全に使うことが非常に重要です。落下などによる事故を引き起こすことがないよう、破断荷重や使用荷重も必ず確認してから購入するようにしましょう。