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密封装置の種類と特長

工業分野において、機械・装置の部品として欠かせないシール(密封装置)。しかし、用途や使用箇所によって種類があることはご存知ですか? それぞれに特性があるため、適したシールを使用しないと本来の性能が発揮できません。こちらでは、各種の密封装置の特長について解説しています。

密封装置とは

密封装置とは、機械や装置から流体(液体・気体・プラズマなど)が外部に漏れること、あるいは外部の埃や雨といった異物が機械や装置の内部に侵入することを防ぐために用いる部品の総称です。工業分野では一般的に「シール」と呼びます。

「シール」の語源は「封印」です。古来よりシールは様々な場面で必要とされてきましたが、機械的な要素として重要視されるようになったのは第二次世界大戦以降のこと。合成ゴムや樹脂、金属、植物繊維など様々な材料を使用するようになり、飛躍的にシールの性能がアップしました。

現在、シールは自動車の装置や油圧機器、電化製品など各種機械装置の軸受(ベアリング)をはじめ、水道やガスの配管、壁の修理に至るまで幅広く使用されています。そのため用途によって防水性や耐熱性、高い密閉性など求められる性能が違うのです。 機械の性能を維持するために、それぞれの機械に適したシールを選ぶことが欠かせません。

密封装置の種類と特長

日本工業規格(JIS)によって密封装置(シール)はその使用状態から、運動面に使用する「パッキン」と、静止面(固定用)に使用する「ガスケット」の2種類に大別されます。さらにそれぞれ目的や用途に応じて細かく分類されているので、使用箇所に合わせて選定するようにしましょう。以下、各種類の特徴をご紹介します。

【運動用シール(パッキン)】

回転や往復、揺動、あるいは繰り返し着脱するといった運動面に接する部分に用いるシールです。パッキンは更に、シール面が直接内輪に接触する「接触型」と、接触せずにわずかな隙間を挟んで対向する「非接触型」に分かれます。

●接触型シール

密封性が非常に高い点がメリットで、動作時の摩擦が大きい点がデメリットです。漏れや異物の侵入の防止を最優先したい時などに使用します。

  • オイルシール
  • 機械の隙間からオイル(油)が漏れることを防ぐシールです。合成ゴムや金属でできており、主に自動車のエンジン部やギヤードモータ、機械部品の回転軸部分に使用します。
  • メカニカルシール
  • ポンプやコンプレッサーといった回転機械の軸封部に設置し、油や水の漏れを防ぐシールです。摩擦や熱の発生が少なく、省エネ効果を得られます。
  • 成形パッキン
  • 所定の形状に成形したゴム製のパッキンです。配管・水まわりの設備を中心に、各種機器、シリンダー、ピストン、気密扉など様々な用途に合わせて選ぶことができます。
  • グランドパッキン
  • 断面が角形(または丸型)で、スタフィングボックスに詰め込んで使用するパッキンです。挿入後更にパッキン押さえで締め付けることで軸表面に圧力が発生、その接触面圧で機械部品内部の流体を漏らさないようにします。
●非接触型シール

動作時の摩擦が小さい点がメリットで、接触型よりも密封性に劣る点がデメリットです。ある程度漏れ・異物の侵入を防止しつつ、摩擦を押さえたい場合などに使用します。

  • 磁性流体シール
  • 磁石に引き寄せられる性質を持った流体を利用した、液状のシールです。磁力によって回転軸の周りに保持された磁性流体は、液状のOリングのような役割を果たします。コンプレッサーや空圧機器、ホースなどに使用することが多いです。
  • ラビリンスシール
  • ベアリングに使用し圧縮ガスのシールに使用します。凹凸を何段にも組み合わせた機構が特徴です。狭い隙間を通っていく過程でエネルギーを消失させる、ラビリンスの原理を利用しています。
【固定用シール(ガスケット)】

配管のフランジや機器の接続部など、ボルトなどで固定されている静止部分に用いるシールです。ガスケットは更に、その材質によって「金属ガスケット」と「非金属ガスケット」に分かれます。

●金属ガスケット

金属材料のみで作られているガスケットで、強度や耐熱性に優れたタイプです。材料によっては耐食性や馴染みのよさなどに特長が現れます。

  • ゴムコーティング金属ガスケット
  • ステンレスやアルミといった素材のガスケットに、合成ゴムをコーティングしたタイプです。弾性があるため、防音・防振性といった効果が得られます。
  • 金属Oリング
  • 金属で作ったOリングです。高温・高圧、極低音、高真空といった状況において活躍します。
  • 金属平型ガスケット
  • 打ち抜きや旋盤加工によって平らに成形されたガスケットです。締め付け圧力が特に高くなるという特長があります。
  • Oリング・角リング
  • 断面がO型のリングがOリング、断面が四角のリングが角リングです。圧力によって押し潰されることで密封するもので、機械部品や配管・水まわりの設備に使用します。
●非金属ガスケット

金属以外の材料で作られているガスケットで、場合によっては複数の材料を組み合わせているものも少なくありません。金属に比べて馴染みがよく、シール締付圧力を低くすることが可能です。

  • 紙ガスケット
  • 主に自動車やバイク部品使用される、紙製のガスケットです。熱による硬化や歪みに強く、価格も安いため消耗品として重宝されます。
  • ゴムガスケット
  • ゴムシートを打ち抜き加工したガスケットです。ゴムの性質により、低圧用ガスケットとして配管・水まわりの設備に主に使用されます。
  • 液状ガスケット
  • シリコンなどを主成分とした液状のガスケットで、接合面に塗布すると一定時間後に乾燥し、薄層を形成します。フランジの形状や寸法を問わず、厚みや締付け力などの計算が不要な点がメリットです。

<まとめ>

密封装置(シール)は目立たない部品ですが、機械の効率を上げて良い製品を作るには欠かせない存在です。使用箇所や目的をはっきりとさせ、最適なシールを選定するようにしましょう。


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