絶縁工具の特長と規格について
電気作業時に安全性を確保できる工具です。

特長
- 絶縁工具は絶縁性の素材に覆われた工具です。通電したままでの作業時、機器間のショートを防ぎ破損を防ぎます。
- 万が一、絶縁工具から漏電したり、もしくは通電中の部分に手を触れた場合、作業者の安全を守るためには絶縁グローブが必要となります。絶縁工具と絶縁グローブを併用することにより二重の安全を確保することができます。
- 通電状態(通電状態を確認できない場合、もしくは通電の恐れがある場合)、絶縁保護具の着用および使用が法令で義務付けされています。
(労働安全衛生法・労働安全規則など)
IEC基準による安全テストの一例
絶縁工具の規格について
IECとは「国際電気標準会議」の略で電気、電子、通信、原子力などの分野で各国の規格・標準の調整を行う国際機関です。
絶縁工具に関する唯一の世界規格です。
- 誘電テスト
- 24時間浸水後、拭き取り10000Vで3分間の通電を行い、金属部分と皮膜をテストし、漏電電流が制限値を超えてはならない。
- 貫通テスト
- 皮膜が最も傷みやすいと考えられる部分を貫通させた後加熱・冷却を加え、5000Vで3分間通電した際に、破壊や発火が起きてはならない。
- 絶縁被膜接着テスト
- 70度の温度で168時間熱した工具を常温で3分間50kgの荷重で引き抜きテストを行い、その際、ベースとなる工具と絶縁被膜が接着されていなくてはならない。
- 不燃性テスト
- バーナーの炎で10秒間加熱し、バーナーを取り除いた後、20秒間で広がる炎が一定の限度を超えてはならない。
- 衝撃テスト
- マイナス25度で2時間冷却した工具の端に通常の力を断続的に加えた際、ハンドルなどに亀裂が生じてはならない。
注意事項
- ・国際規格IEC60900に、他社製品の絶縁工具および絶縁ではない通常の工具と組み合わせて使用することは原則禁止とされています。
- ・使用電圧に応じた電気技師の資格が必要となります。(例:低電圧資格など)
使用状況を確認し選定してください。
ココミテvol.2より転載