工具の通販モノタロウ ガラス・ビニールシート・その他 割れにくいガラスとは?その種類と通常のガラスとの違いを解説

割れにくいガラスとは?その種類と通常のガラスとの違いを解説

防犯のため、台風などの災害時のため、高温下での使用のため…さまざまな理由から「割れにくいガラス」が必要とされるケースが存在します。しかし、一口に割れにくいガラスと言ってもいくつかの種類が存在し、用途によって適したガラスは異なります。ここでは割れにくいガラスである、強化ガラス、網入りガラス、耐熱ガラスそれぞれの特長と用途を、通常のガラスとの違いと合わせて紹介します。

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普通のガラスとは?

いわゆる普通のガラスと言われるものは透明ガラス(フロートガラス)というもので、住宅用の窓や食器、棚板など様々なところで幅広く使われています。

透明ガラスは価格が安く、加工しやすい

最も一般的に使用されるもので流通量が多いこともあり、価格が安いです。また、加工がしやすいためDIYにも適しています。透明ガラスは平面精度が高く歪みが少ないため、ガラスの向こう側がくっきり見えますが、分厚い場合や複数枚を重ねた場合には、かすかに緑色に見えるという特性があります。

向こう側がくっきり見える透明ガラス
緑がかって見える透明ガラス

割れにくいガラス① 強化ガラス

強化ガラスとは、通常のガラスに特殊加工を施すことで強度を高めたガラスです。
ガラステーブルの天板、商業施設壁面の大型ガラス、大きなショーケースの棚板などに向いています。

商業施設壁面に使われる透明ガラス

強化ガラスの3つの特長

1.高い強度

強化ガラスは普通の透明ガラスの3~5倍の強度があります。例えば、通常のガラスが1メートルの高さから3kgの鉄球耐えられるとしたら、強化ガラスなら約10㎏の衝撃にも耐えることができます。

2. 割れたときの危険性の低さ

強化ガラスが割れた場合、その破片は普通のガラスのような鋭利な破片ではなく、細かい粒状の破片となります。そのため、万が一割れた際に怪我をする危険性が大きく軽減できるというメリットがあります。

▼一般的なガラスの破片(左)と強化ガラスの破片(右)

一般的なガラスの破片
強化ガラスの破片

3.耐熱温度が高い

熱により加わる力にも強くなるため、キッチン周りの耐熱ガラスとしても使われます。

割れにくいガラス② 網入りガラス

網入りガラスとは、ガラスの中に金網(金属ワイヤー)が埋め込まれたガラスです。
金網は斜めの格子模様のものや、縦横の格子模様などがあります。

斜めの格子状の網入りガラス
縦横の格子模様の網入りガラス

万が一割れても、破片が金網に支えられて飛び散りにくいため、普通のガラスに比べて高い飛散防止性を備えています。
網入りガラスは飛散防止性が高いため、「防火地域」や「準防火地域」に該当する場所で防火設備として多く使われています。
火器を取り扱うガソリンスタンドや飲食店などの店舗や、ビルやマンションといった高い場所の窓の防火対策にも使われています。

網入りガラスの3つの特長

1. 飛散防止性

地震や台風で万が一ガラスが割れても破片が飛散しにくいため、普通の透明ガラスと比較して破片による怪我を防ぐ効果があります。

2. 火災時に強い

火災時にガラスが割れても、破片が金網に支えられるため、ガラスに穴があいたり全体が崩れ落ちたりしにくいので、火炎や火の粉の侵入・延焼を防ぐ効果があります。

3. 価格が手頃

網入りガラスは「防火ガラス」として、外壁の防火性能が必要とされる開口部(建設省告示1360号の規定)に使用できます。
また、防火ガラスの中で最も安いので、防火ガラスの設置が必要な場合にコストをおさえることができます。

割れにくいガラス③ 耐熱ガラス

熱に対して強いという意味合いでの割れにくいガラスとして、耐熱ガラスがあります。
耐熱ガラスは高温状態でも変質せず長期間使用でき、急激な温度変化にも強い原料を用いて作られたガラスです。

普通のガラスと耐熱ガラスの違い

普通のガラスと耐熱ガラスでは熱膨張率に違いがあります。
普通のガラスに熱を加えると、熱を加えた部分が膨張していきます。熱の当たらない部分は冷えたままで膨張しないため、膨張した部分とそうでない部分とで体積の差が生まれて割れてしまいます。
一方で、耐熱ガラスは熱で膨張しにくいように作られているため、熱が加えられた部分とそうでない部分とで体積の差ができにくく割れにくくなります。また、長期的な高温環境にも耐えることができます。

▼普通のガラスの場合

普通のガラスの割れる仕組み

▼耐熱ガラスの場合

耐熱ガラスが割れにくい仕組み

耐熱ガラスの3つの特長

1. 数百度の高熱に耐えられる

普通のガラスの最高耐熱温度は約80℃と言われていますが、耐熱ガラスは種類によって、500℃や800℃の高温な場所でも使用することができます。
そのため、薪ストーブの窓やオーブンの覗き窓、キッチン周りにも使用されます。

高熱環境下で使用される耐熱ガラス

2. 急な温度変化に強い

ガラスが熱で割れる原因は、急激な温度変化でガラス内部の熱の加わった部分とそうでない部分に膨張の差が生まれるためです。
耐熱ガラスはこの膨張を起こりにくくするためにホウ素という成分を混ぜて製造しているため、急激な温度変化に強い仕組みになっています。

3. 切断しやすい

耐熱ガラスはガラスカッターを使って切断することが可能です。
自分で好きな形にカットできるので、特殊な形状にカットしたり、後からサイズ調整したりすることもできます。そのため、DIYや修理にも適しています。

まとめ

割れにくいガラスとして、強度が高く割れたときの危険性の低い強化ガラス、飛散防止性が高く価格が手頃な網入りガラス、耐熱に優れて急な温度変化にも強い耐熱ガラスの3つを紹介しました。
ご利用の場所や用途に合わせて最適なガラスを選択し、安全にご利用ください。

本記事および掲載画像は、株式会社コーワのコーワガラスショップ内の各種ガラス製品に関する記事を参考に、許可を得て作成したものです。
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