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接合加工の仕組みと種類

プレス加工によって材料を折り曲げたり、凹凸を組み合わせたりすることでパーツ同士を接合する、接合加工。接合加工の技法は、ジュースのプルタブなど我々の日常生活のシーンから、モーター部品など重工業製品にいたるまでさまざまなところで活用されています。ここでは、その仕組みと種類を見ていきましょう。

接合加工とは

そもそも、金属同士を互いにくっつける接合加工は、その接合方法によって以下の4つに大別できます。金属素材を加熱して溶かして接着する熱的接合方法、なんらかの接合材を用いる接着的接合方法、電気などのエネルギーを用いて素材を溶融して接着する溶接、そして最後に、ボルトやナットを用いたり、素材を凹凸形状に形成してはめ込んだりすることで機械的に接合する機械的接合方法です。この項で説明しているのは、機械的接合方法における、プレス加工を利用して部品同士の組立を行う工法になります。

プレス加工を利用した接合加工には種類がありますが、その代表的なものは、板材の両端を折り曲げてつなげ、円筒形を形成する加工や、部材に穴の部分と突起の部分を形成しはめ込むようにして合体させる積層加工などです。

接合加工の仕組み

プレス加工による接合加工では、基本的には素材の折り曲げと、凹凸部の組み合わせによって部品の組み立てを行います。

プレス加工から接合加工の組み立てまでを順送り加工によって組み合わせると、加工から製品組み立てまでを一連の流れのなかで行うことができ、作業効率の良い加工が可能です。

接合加工の種類

プレス加工による接合加工にはどのようなものがあるのでしょうか。以下でそれぞれの加工の特色を見ていきましょう。

かしめによる接合

板材とピンの接合や、二枚の板材の接合を行うときに、かしめ処理を施す接合方法です。2枚の板材に開けた穴にリベットを差し込み、リベットをプレス加工によって塑性変形させることにより2つの部材が締結されます。また、穴のある部材と、穴に嵌合する凸部をもつ部材を組み合わせ、穴から突出した凸部の端部を折り曲げるようにプレスすることでかしめを施し2部材を接合する工法も、かしめによる接合方法の一種です。

シーミングによる接合

2枚の板材の端部を組み合わせて折り込むことで、2枚を接合する方法です。または、1枚の板材の両端部を折り込むと円筒形が得られます。シーミングによる接合は、その折り畳み方によって多種多様な技法に分けることが可能です。2つのJ字型の端部を互いに食い合わせることで接合する単純な接合から、非常に複雑な曲げ加工を必要とする強固な接合まであるため、要求強度や加工難易度を勘案して適切な技法を選択しましょう。また、シーミングは必ずしも部材の端部同士である必要はなく、一方の部材の中間部ともう一方の部材の端部を組み合わせる工法もあります。

穴に凸部をはめこむ接合

平板の素材を丸め、端部を接合させることで円筒形とする加工です。従来、絞り加工などで制作されていたパイプ形状の製品がより低コストで得られます。また、接合部に両端部が凹凸状に噛み合うような切断を施すとより頑丈な接合が可能です。 凹凸の接合においては、ぴたりと噛み合う凹凸ではなく若干の角逃しを設けることで、線部分の接合がより安定します。

あり組接合

酒枡の辺などに見られるような、箱型の製品の隣り合った面どうしを凹凸の端部の組み合わせによって接合する方法です。丸めパイプの接合同様に、凹凸の端部の組み合わせでは角逃しを設けます。

まとめ

プレス加工による接合加工は、素材の塑性変形を利用して、複数の部材を組み合わせる工法です。単純な原理のように思えますが、製品のクオリティに直結する組立という重要な役割を担っているため、各工法の特色をよく理解しておきましょう。

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