水漏れ時の補修部品と補修方法
水漏れ時に必要な補修部品と補修方法
水栓に使用される部品は基本的に消耗品です。そのため、多くの場合は部品を交換するだけで直すことができます。症状や水漏れする部位ごとに必要な補修部品、補修方法を確認しましょう。今回は単水栓とハンドル混合栓について解説します。

■パイプ根元からの水漏れ
水栓本体に接続している吐水口パイプの根元部分(繋ぎ目)から水が漏れる場合は、回転部のパッキンが傷んでいる、もしくはパッキンを抑えるナットが緩んでいることが原因です。パイプパッキンを取り換え、しっかりとナットを締めましょう。
・パイプパッキン(Uパッキン、自在パイプ取り付けパッキン)
※パイプ外径を確認し、適切なサイズのものにしてください。
- 1.止水栓を閉じます。(閉じなくても水が出ることはないが、万全を期すために)
- 2.修理レンチなどを使って袋ナットを緩め、取り外します。
- 3.パイプを引き抜き、古いパッキンとリングを取り外します。この時、水栓の中にパッキンが残っていることもあるので確認しましょう。
- 4.新しいパッキンを水栓本体に取り付けます。この時、パッキンの溝のある方を水栓本体側に向けて取り付けてください。
- 5.リングとナットをセットしたパイプを水栓本体に差し込み、袋ナットを締めて完了です。あまり強く締めすぎるとパイプの動きが悪くなるので注意してください。
■ハンドル下からの水漏れ
ハンドルを捻って水を出すハンドル混合栓の場合、ハンドルと本体の結合部から滴るように水漏れすることがよくあります。水栓ハンドル内にあるパッキンの傷みが原因の可能性が高いため、新しいパッキンに取り替えましょう。このパッキンは常に軸に回転接触しているため、摩耗の激しい部品です。
・水栓パッキン(三角パッキン、キャップパッキン、水栓ハンドル内パッキン)
※水栓の呼び径(13mm、20mm)を確認し、適切なサイズのものにしてください。
- 1.必ず止水栓を閉じてください。
- 2.ハンドルを固定しているハンドル上部のビスを、プライヤーなどを使って取り外します。
- 3.ハンドルを引き上げて外します。
- 4.袋ナットを緩めて取り外し、その下の古いパッキンとパッキン受けを新しいものに取り替えます。ピンセットなどを使うと簡単です。
- 5.さっきとは逆の手順で、袋ナット→ハンドル→ビスの順に組み立てていけば完了です。
■パイプ先からの水漏れ
しっかりとハンドルを締めているのに、パイプ先端の吐水口からポタポタと水が落ちる…これは水栓本体の中のコマ(ケレップとも言います)が傷んでいることが原因の可能性が高いです。コマは軸にゴムパッキンのついた部品で、上下させることにより水栓の開閉や水量の調節を行います。コマの交換、もしくはコマのゴムパッキンの交換で改善できるでしょう。ただし、ゴムパッキンの交換ができないタイプもあります。
・水栓コマ(ケレップ)
※コマの直径を確認し、適切なサイズのものにしてください(一般家庭用は15mmです)。
- 1.必ず止水栓を閉じてください。
- 2.修理レンチなどを使ってハンドル下部の袋ナットを緩めます。
- 3.ハンドルを左回しに回し、水栓上部を取り外します。
- 4.コマはスピンドル(軸部分)の下部にあります。ピンセットなどを使って取り出しましょう。
- 5.新しいコマをスピンドルに差し込み、軽く押さえながら水栓本体にセットします。さっきとは逆の手順で、水栓上部を取り付けたら完了です。袋ナットをあまり強く締めすぎるとハンドルが回りにくくなるので注意してください。
■水栓元からの水漏れ
水栓本体の取り付け部(シンクの壁など)から水が漏れている場合は、水栓本体を配管にねじ込む際に使用するシールテープの劣化が考えられます。新しいものに取り替えましょう。
・シールテープ
- 1.必ず止水栓を閉じてください。
- 2.水栓レンチを使って水栓本体を捻り、取り外します。
- 3.ブラシを使って配管の中やねじ部を掃除します。この時古いシールテープやゴミ、サビが残っていると水漏れの原因となるので、特にねじ部は丁寧に行いましょう。
- 4.水栓本体の取り付けねじ部分に新しいシールテープを巻きます。水栓本体を左手で持ち、右手でシールテープを軽く引っ張りながら時計回りに7~8回巻いてください。(巻き数で配管に取り付ける際のきつさを調整できます)
- 5.水栓本体を配管に取り付けて完了です。時計回りにゆっくりと締めていきましょう。この時、逆に回してしまうとねじ部が破損し水漏れの原因となるので慎重に行います。
補修部品の取り換えが完了したら、止水栓を開いて水漏れがないか確かめてください。ひとつひとつの作業自体はそれほど難しくはありませんが、繊細さを求められるので慎重に行いましょう。