5-3 けがき作業の方法【通販モノタロウ】
加工現場の手仕上げ作業の勘どころ
ものづくりの現場において機械を頼らず手作業で行なう、「手仕上げ加工」。
本連載では、各工程に沿って、加工現場における手仕上げ加工のコツをお教えします。
第5章 けがき作業

5-3 けがき作業の方法

けがき作業では、どこを基準にしてけがくかが課題となります。また、丸棒の中心を求める、水平線を引く、垂直線を引くなど工作物に応じてさまざまなけがき線の引き方があります。

1. 基準面からのけがき

基準面からけがく場合には、仕上げ面を基準とする方法と中間の位置を基準とする方法などがあります。仕上面がある場合には、図5-17のように仕上げた面を定盤の上に置き、図面に求められた高さhの寸法を(a)-(a)のようにトースカンやハイトゲージでけがきます。仕上げ面がない場合には、はじめに基準となる面を決めて機械加工で仕上げ、図5-17と同様な方法で求めます。中間を基準とする場合は図5-18のように、中間に基準線を引きその位置からhの寸法を(a)-(a)のようにけがきます。

図5-17 仕上げ面基準のけがき図5-17 仕上げ面基準のけがき
図5-18 中間を基準とするけがき図5-18 中間を基準とするけがき

2. 丸棒の中心の求め方

丸棒の中心の求め方には片パスを使用する、トースカンを使用する、ハイトゲージを使用するなどの方法があります。

1) 片パスを用いる方法

片パスの曲がった方の足部を丸棒の縁に当て、パスを工作物の半径に近い寸法に開いて図5-19(a)のように(1)の所から円弧を描きます。90°回して(2)の位置から円弧を描き、同様に(3)(4)と回して四本の円弧を描き、円弧に囲まれた中心を目測で定めてポンチを打ちます。また、図5-19(b) のように、三本の円弧で囲まれた中心を目測で定めてポンチを打つ方法もあります。

図5-19 片パスによる中心の求め方図5-19 片パスによる中心の求め方

2) トースカンやハイトゲージを用いる方法

図5-20のようにVブロックに丸棒を乗せ、90°ずつ回転させながら定盤に平行な四本の線をトースカンまたはハイトゲージで描き、描かれた正方形の向い合った頂点をそれぞれ線で結び、この直線の交点が丸棒の中心です。

図5-20 トースカンやハイトゲージを用いる方法図5-20 トースカンやハイトゲージを用いる方法

なお、内部が中空の場合は、図5-21に示すように心金を入れてから、片パスの曲がった足を(1)(2)(3)(4)のそれぞれの場所の内径の縁に当て、心金に図5-19(a)(b)と同様な方法で中心点をも求めます。

図5-21 中空の中心の求め方図5-21 中空の中心の求め方

3. 垂直線の求め方

線a-aに垂直線を引く場合には、コンパスやスコヤを用いて行う方法があります。

1) コンパスによる方法

コンパスで垂直線を求める方法を図5-22に示します。中心Oからコンパスで同じ寸法で(a)(b)を求め、(a)(b)のそれぞれの位置から中心までの寸法より大きな円弧を描き、それぞれの交点を結んだ点をけがき針で線を引きます。

図5-22 コンパスによる垂直線図5-22 コンパスによる垂直線

2) スコヤによる方法

工作物の基準面が正確に出ている場合には、台つきスコヤを図5-23に示すように基準面に置き、工作物の面に当ててけがき針で垂直線を引きます。

図5-23 スコヤによる方法図5-23 スコヤによる方法

3) 金ますを用いる方法

図5-24のように金ますに工作物を取り付けトースカンまたはハイトゲージで水平線a-aを引きそのまま金ますを90°倒して同じように直行する線b-bを引きます。

図5-24 金ますによる方法図5-24 金ますによる方法

けがき作業は加工工程や使用工具などその時々の条件に応じてけがき方も変わってきます。いろいろな方法を熟知しながら要領よく行なうことが大切です。

執筆:APTES技術研究所 代表 愛恭輔

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