加工現場の手仕上げ作業の勘どころ
ものづくりの現場において機械を頼らず手作業で行なう、「手仕上げ加工」。本連載では、各工程に沿って、加工現場における手仕上げ加工のコツをお教えします。
第1章 切断作業

1-1 弓ノコとノコ刃

1. ノコ刃

弓ノコはフレームにノコ刃を取り付けて手作業で工作物を切断するために使用される工具です。フレームには一定のノコ刃の長さしか取り付けられないものや、長さが調整できるものなどいろいろあります。図1-1によく見られるフレームを示します。図1-2に弓ノコの各部の名称を示します。

図1-1:弓ノコのフレーム

図1-1:弓ノコのフレーム

図1-2:弓ノコの各部の名称

図1-2:弓ノコの各部の名称

手作業のノコ刃はJISではハンドハクソーと呼ばれています。素材は、炭素工具鋼や合金工具鋼を熱処理した物で、刃部の硬さは60HRCまたは697HV以上となっています。 ノコ刃の呼び寸法は図1-3のように両端の取り付け穴の中心間の長さで表され、200、250、300の3種類があります。刃数は1インチ(25.4mm)当たり10刃、12刃、14刃、18刃、24刃、32刃があり、 工作物の材質や形状によって選択されます。機械工場ではノコ刃の長さが250mm、刃の幅は13mm、厚さが0.65mm、刃数が14刃以上のノコ刃が広く使用されています。 また、刃先は図1-4のようにあさりと呼ばれる振り分けた形状のノコ刃が一般に使われます。このあさりによってノコ刃の本体が工作物に触れないために切るときの抵抗は小さくなります。

図1-3:ノコ刃の呼び寸法

図1-3:ノコ刃の呼び寸法

図1-4:ノコ刃の形状

図1-4:ノコ刃の形状

2. ノコ刃の取り付け

弓ノコの刃はフレームに取り付けて使用します。図1-5の蝶ねじの部分は左右に少し動き、刃の取り付けを容易にするとともにノコ刃に張りを与えます。 弓ノコは押して切るため、図1-6のようにしてノコ刃を握り軸の凸部にノコ刃の穴を図1-7のように差し込みます。 次に蝶ナット部に穴を差し込み図1-8のように蝶ナットで締めてノコ刃をしっかりと張ります。ノコ刃の張りは、図1-9のように手でノコ刃をねじってぐらつかない程度です。

  • 図1-5: 蝶ナット部
  • 図1-5:蝶ナット部
  • 図1-6:ノコ刃の取り付け方向
  • 図1-6:ノコ刃の取り付け方向

  • 図1-7:握り軸部の取り付け
  • 図1-7:握り軸部の取り付け
  • 図1-8:蝶ナットの締めつけ
  • 図1-8:蝶ナットの締めつけ

  • 図1-9:ノコ刃の張りの確認
  • 図1-9:ノコ刃の張りの確認

 

執筆: APTES技術研究所 代表 愛恭輔

『加工現場の手仕上げ作業の勘どころ』の目次

第1章 切断作業

第2章 きさげ作業

第3章 やすり作業

第4章 磨き作業

第5章 けがき作業

第6章 穴あけ作業

第7章 リーマ作業

第8章 ねじ立て作業

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