加工現場の手仕上げ作業の勘どころ
ものづくりの現場において機械を頼らず手作業で行なう、「手仕上げ加工」。本連載では、各工程に沿って、加工現場における手仕上げ加工のコツをお教えします。
第1章 切断作業

1-2 弓ノコによる切断作業

切断作業にあたっては、工作物の材質や形状によって有効な刃数のノコ刃を選びます。 一般には、1インチ当たり刃数が14~18のものを使用しますが、薄い板などには細かい24~32のものが使用されています。 切る時は、図1-10のように切る位置に親指を置いてノコ刃を当て、片手で軽く押して切り込みを与えノコ刃を安定させてから作業をします。 弓ノコの持ち方は柄の端を利き手の手のひらにあてて軽くにぎり図1-11のように手のひらで押しだすことが出来るように握ります。洋式のフレームは図1-12のように握ります。 反対側の手は弓ノコが左右に振れないよう図1-13のようにフレームの前をしっかりと握ります。押す時は図1-14のように肘を体につけ、やや下に力をかけながら体全体で押します。 引く時は体を起こすようにして力をぬきます。なお、切り終わりに近くなったら力をぬいて軽く切削します。

  • 図1-10:切る位置の決め方
  • 図1-10:切る位置の決め方
  • 図1-11:柄の握り方
  • 図1-11:柄の握り方

図1-12:洋式フレームの握り方

図1-12:洋式フレームの握り方

  • 図1-13:フレームの前の握り
  • 図1-13:フレームの前の握り
  • 図1-14:ノコ引きの姿勢
  • 図1-14:ノコ引きの姿勢

1.角材の切断

角材の切断は上面全体に切断線の切り込みをして印しをつけます。初めに図1-15のようにノコ刃を手前から前方上に角度を付けて切り込み、 中央近くなったらノコ刃の手前を上げて下に向かって切り込んでいき、中央近くで水平にして切り込みます。このような手順で行うと能率よく作業を行なうことが出来ます。

図1-15:角材の切断

図1-15:角材の切断

2.丸棒の切断

丸棒の切断は直径に近くなるにつれ抵抗が大きくなるため、図1-16 のように丸棒を時々回して角度を変えて作業をします。切り終わり近くでは力をぬいて行います。

図1-16:丸棒の切断

図1-16:丸棒の切断

3.管の切断

管を切断する場合は刃数の多いノコ刃を選びます。力をあまり強く加えずに作業するとともにノコ刃が内側に達したら力を加減します。 これは、1刃当たりの食い込み量が大きくなって刃を傷めるためです。なお、管の切断では内部にノコ刃が出たら図1-17のように少しずつ管を回して切断するようにします。

図1-17:管の切断

図1-17:管の切断

4.薄板の切断

薄板の場合も管の切断と同じく刃数の多いノコ刃を選びます。薄板のノコ引き作業では、板の曲がりやビビリが発生しやすいため、 薄板を図1-18のように木材で挟んで木材と一緒に切るか、角材で切断部分の近くを挟んで切断する方法があります。なお、ノコ刃は手前に傾けて作業をします。

図1-18:薄板の切断

図1-18:薄板の切断

5.切断部の大きい切断

工作物の切断部が大きくフレームの中に入りきらない時は、図1-19のようにノコ刃をフレームに直角に取り付けて作業することがあります。 ただし、ノコ刃がねじりやすくなるので工作物の表面とノコ刃が直角になるようにして作業することが大切です。

図1-19:切断部の大きい切断

図1-19:切断部の大きい切断

執筆: APTES技術研究所 代表 愛恭輔

『加工現場の手仕上げ作業の勘どころ』の目次

第1章 切断作業

第2章 きさげ作業

第3章 やすり作業

第4章 磨き作業

第5章 けがき作業

第6章 穴あけ作業

第7章 リーマ作業

第8章 ねじ立て作業

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