けがき作業を始めるにあたって 【通販モノタロウ】
工具の通販モノタロウ > 加工現場の手仕上げ作業の勘どころ > 5-2けがき作業を始めるにあたって
加工現場の手仕上げ作業の勘どころ
ものづくりの現場において機械を頼らず手作業で行なう、「手仕上げ加工」。本連載では、各工程に沿って、加工現場における手仕上げ加工のコツをお教えします。
第5章 けがき作業

5-2 けがき作業を始めるにあたって

けがき作業をはじめる時には、図面の確認や工作物の形状の確認も大切ですが、けがき針やトースカン、ポンチの刃先など道具の整備や点検も必要です。

1. 図面の確認

けがき作業は、工作物を能率よく加工するための目安となるもので、図面を見て工作物の使用目的を理解し、寸法限度や割付を把握することが大切です。また、工作物の加工方法や加工工程を認識しておくことも大切となります。

2. 工作物の確認

支給された工作物が、図面に要求されているようなけがきが可能であるかを確かめるため、工作物に片肉、寸法違い、割れの有無を確認することが大切となります。また、 全体の形状を見て中心の位置を把握し、けがきが指定された寸法で描けるかを見極めておくことも大切です。

3. けがき線の引き方

丸棒の中心の求め方には片パスを使用する、トースカンを使用する、ハイトゲージを使用するなどの方法があります。

1) けがき針でけがき線を引く

けがき線を引くときは、図5-10のようにけがき針を引く方向に約60°傾けて細い鉛筆で線を引くように行います。また、けがきの重ね描は止めます。けがき線は、加工中に消えることがあるので、正しいけがき線の他に、加工の目安となる捨て線をけがいておくことが必要な場合もあります。

図5-10けがき針によるけがき線の引き方

図5-10けがき針によるけがき線の引き方

2)トースカン・ハイトゲージによるけがき

トースカンは図5-11(a)のように刃先を少しは下げて図5-11(b)のように引く方向に約60°針を傾けて行ないます。なお、寸法を調節する時は図5-12の矢印の所を軽くたたいて行ないます。なお、トースカンを使用しない時には図5-13のように刃先を下げておきます。 ハイトゲージによるけがきはスクライバーを定盤の上で0点に合わせてからけがき位置を決め、図5-14のようにスクライバーの角と工作物の面をけがき線をひく方向に約60°傾けて一定の力で横にスムーズに滑らせて引きます。なお、使用しない時にはスクライバーを下げておきます。

図5-11トースカンのけがき

図5-11トースカンのけがき

図5-12 トースカンの寸法調整

図5-12トースカンの寸法調整

図5-13 トースカンを使用しないときの状態

図5-13トースカンを使用しないときの状態

図5-14 ハイトゲージのけがき

図5-14 ハイトゲージのけがき

3)コンパスにはよるけがき

スケールから寸法を決める場合には、足の中央で開いて片方の足を硬い素材に軽く打ちながら求めます。円をけがく場合にはけがく方向に少し傾けて行うとともに図5-15のように起点から半円をけがき、次に起点に戻しコンパスを握り変えて半円をけがきます。

図5-15 コンパスによる円のけがき方

図5-15 コンパスによる円のけがき方

4) ポンチの打ち方

ポンチを打つ時には図5-16(a)(b)のようにポンチを工作物の打つ面に垂直にあて、2〜3°回しながら最初に軽く打ち、位置が決定した時に強く打ちます。

図5-16 ポンチの打ち方

図5-16 ポンチの打ち方

執筆: APTES技術研究所 代表 愛恭輔

『加工現場の手仕上げ作業の勘どころ』の目次

第1章 切断作業

第2章 きさげ作業

第3章 やすり作業

第4章 磨き作業

第5章 けがき作業

第6章 穴あけ作業

第7章 リーマ作業

第8章 ねじ立て作業

目次をもっと見る