加工現場の手仕上げ作業の勘どころ
ものづくりの現場において機械を頼らず手作業で行なう、「手仕上げ加工」。本連載では、各工程に沿って、加工現場における手仕上げ加工のコツをお教えします。
第4章 磨き作業

4-4 電動工具による磨き作業

1. ベルト研磨

紙や布などの基材の表面に砥粒を接着剤で固着させた図4-23のような帯状の研磨ベルトを使用した加工をベルト研磨といいます。図4-24に手作業で用いられる卓上ベルト研磨盤を示します。ベルト研磨では図4-25のようにベルト研磨布紙に工作物を押し付けて研磨をします。

  • 図4-23 研磨ベルト
  • 図4-23 研磨ベルト
  • 図4-24 卓上ベルト研磨盤
  • 図4-24 卓上ベルト研磨盤
図4-25 研磨ベルトの作業

図4-25 研磨ベルトの作業

2. フラップホイール研磨

図4-26に示すような短冊状の研磨布片(フラップ)を放射状に軸やフランジに取り付けた回転研磨工具をフラップホイールといいます。フラップに使用される研磨布は研磨ベルトなどと同じような素材が使用されます。フラップホイールには接着方法やフランジの形状によりいろいろな種類があります。フラップホイールの研磨加工は初期から使い切るまで仕上げ面粗さの変化や研磨焼けがすくない特性があります。

図4-26 フラップホイール

図4-26 フラップホイール

3. バフ研磨

布やフェルト、皮などの柔軟性の素材を円盤状の基材とした図4-27に示すような工具をバフといいます。バフ研磨は外周に図4-28に示すように研磨剤を押し付けて付着させ研磨工具とします。そして図4-29のようにバフに加工物を押し付けて磨きや艶出しを行なう加工法です。バフの基材はサイザル麻や綿布、合成繊維が使用されます。これらの基材は糸の本数や太さにより硬さが変わります。構造はミシンの縫い方、布の使い方、形状によっていろいろな種類があります。研磨剤は油脂類と各種の研磨材(アルミナ、炭化けい素、酸化クロムなど)を配合したもので、固形棒状と油脂類をエマルション化させたものがあります。

図4-27バフ

図4-27バフ

図4-28 バフの研磨工具の作り方

図4-28バフの研磨工具の作り方

図4-29 バフの研磨作業

図4-29 バフの研磨作業

4. ディスクグラインダによる研磨

図4-30のようなディスクグラインダは、円板状の砥石やワイヤーブラシ、磨き用バフなどの工具を取り付けることで幅広い用途に活用する事が出来ます。オフセット砥石による作業では砥石面は加工面に対し角度をつけて行ないますが、その角度15°〜30°が適正です。オフセット砥石は材料に強く押し付けず、一定のスピードで、奥から手前に引くように動かします。補助ハンドルが有るとより安定した作業が出来ます。また、研磨材が含まれたナイロンジスクやバフを使用することで磨きができます。

図4-30 ディスクグラインダ

図4-30 ディスクグラインダ

5. ハンドグラインダ

図4-31はハンドグラインダ(商品名のリュータで呼ばれることが多い)です。図4-32のように手作業で部品の加工を行います。図4-33のような先端の工具をいろいろと取り換えることによりいろいろな形状の磨きを行うことができます。

  •  図4-31 ハンドグラインダ
  • 図4-31 ハンドグラインダ
  • 図4-32 ハンドグラインダによる加工
  • 図4-32 ハンドグラインダによる加工

図4-33 ハンドグラインダの工具例

図4-33 ハンドグラインダの工具例

6. 卓上ラップ盤

図4-34に卓上研磨盤による作業の状態を示します。プレート面の研磨布紙の粒度を順次細かく変えて滑らかな加工面を得ることができます。一般に粗研磨では#120が使用され、順次#240、#400、#600、#800、#1000、#1200、#1500の粒度に変えながら仕上げられます。

図4-34 卓上研磨盤による作業

図4-34 卓上研磨盤による作業

執筆: APTES技術研究所 代表 愛恭輔

『加工現場の手仕上げ作業の勘どころ』の目次

第1章 切断作業

第2章 きさげ作業

第3章 やすり作業

第4章 磨き作業

第5章 けがき作業

第6章 穴あけ作業

第7章 リーマ作業

第8章 ねじ立て作業

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