加工現場の手仕上げ作業の勘どころ
ものづくりの現場において機械を頼らず手作業で行なう、「手仕上げ加工」。本連載では、各工程に沿って、加工現場における手仕上げ加工のコツをお教えします。
第7章 リーマ作業

7-2 リーマの種類と特徴

JIS(日本工業規格)ではリーマの種類を、(1)刃部の材料および表面処理、(2)構造、(3)取り付け方法、(4)機能または用途の4種類で分類しています。

刃部の材料および表面処理による分類

刃部の材料にはハイス(高速度鋼)や超硬、超硬質工具材料(サーメット、CBN焼結体、ダイヤモンドなど)が使用されています。ハイス(高速度鋼)や超硬リーマにはコーティング処理が施されているものがあります。コーティングは刃部に炭化物や窒化物、酸化物などを一層または多層に化学的な方法や物理的な方法で密着させます。

2. 構造による分類

刃部とシャンクが同じ素材で作られているむくリーマ(ソリッドリーマと呼ばれています)や刃部とシャンクが溶接された溶接リーマ、刃部をロー付けしたロー付けリーマ、スローアウェイチップを機械的に取り付けた植刃リーマなどがあります。

3. 取り付け方法による分類

ストレートシャンクリーマやテーパシャンクリーマ、テーパ穴があるボアタイプリーマなどがあります。

4. 機能または用途による分類

1)ハンドリーマ

ハンドリーマは図7-5のようにシャンクがストレートでシャンクの先端が四角形となっており、リーマ回しのハンドルを使用して手仕上げで加工が行われます。約1°の食付き角があります。刃部は一般に直刃が多く,溝などがある穴の場合はねじれ刃が使われます。 最終仕上げに機械用としても使用されます。その場合は、低速回転での加工がよいでしょう。

図7-5 ハンドリーマ

図7-5 ハンドリーマ

2) チャッキングリーマ

刃長が短く約45°の食付き角をもった機械作業用リーマです。シャンクの形状によってストレートシャンクチャッキングリーマとテーパシャンクチャッキングリーマがある。羽部は直刃とねじり刃があります。図7-6にねじり刃のチャッキングリーマを示します。

図7-6 チャッキングリーマ

図7-6 チャッキングリーマ

3) マシンリーマ

テーパシャンクチャッキングリーマの刃長を長くした機械作業用リーマで、食付き角は約45°です。羽部は直刃とねじり刃があります。図7-7に直刃のマシンリーマを示します。

図7-7 マシンリーマ

図7-7 マシンリーマ

4) テーパリーマ

テーパ差込み穴の仕上げに使用するリーマで、モールステーパの穴の仕上げに使用するモールステーパリーマやテーパーピンの穴の仕上げに用いるテーパーピンリーマなどがあります。図7-8にテーパリーマを示します。これらには手回し用と機械加工用があります。

図7-8 テーパリーマ

図7-8 テーパリーマ

5)ブリッジリーマ

リベット穴やボルト穴の食違いを修正するときに用いるリーマで穴部に食付きやすく、荒作業に適するように刃部は強くしてあります。

図7-9ブリッジリーマ

図7-9ブリッジリーマ

これらのリーマは作業現場で一般に使用されていますが、用途により刃部がストレートのスタブリーマやシェルリーマ、刃部が調整式で直径が調整できるアジャストリーマやエキスパンションリーマ、刃部が段付のガイド付きリーマ、刃部が特殊形状のセンタリーマやガンリーマなどいろいろな形状のリーマがあります。

ご使用の際は、修正する穴径に適する刃径(mm)、公差をご確認ください。また、シャンク径も併せてご確認ください。(手作業の場合はタップホルダ取付部分の径(mm)、機械取り付けの場合はMT1やMT3など)

執筆: APTES技術研究所 代表 愛恭輔

『加工現場の手仕上げ作業の勘どころ』の目次

第1章 切断作業

第2章 きさげ作業

第3章 やすり作業

第4章 磨き作業

第5章 けがき作業

第6章 穴あけ作業

第7章 リーマ作業

第8章 ねじ立て作業

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