工具の通販モノタロウ 遠心ポンプの実践講座 ポンプに使うサイクロンセパレータ
遠心ポンプの実践講座
本連載では、基礎講座に続き遠心ポンプにスポットをあて、ポンプを構成する部品の役割からポンプの点検の仕方、トラブルとその対策まで、 より実践的な知識をご紹介していきます。遠心ポンプの基礎講座はこちら>>
第2章 ポンプの構成部品と役割

2-14 ポンプに使うサイクロンセパレータ

研磨後の廃液に溜まった研磨粉の回収、食品の製造過程における原材料の分級、微粒子の分級及び分離、排ガスから発生した汚染物質の除去などに使用されているのがサイクロンセパレータです。 サイクロンセパレータは、流体中に浮遊する微粒子ごみの密度と流体自体の密度との差によって、両者に発生する遠心力の違いを利用して微粒子ごみを流体から分離します。これをポンプにも利用することがあります。

ポンプでは砂や固形物などの摩耗成分を含んだスラリー液を扱う場合、摩耗に対して強いポンプを選定します。構造で対応する場合は、羽根車はセミオープン形またはオープン形にします。材料で対応する場合は、表面が硬い材料、または柔らかいゴムなどの材料を使います。 ポンプの回転速度はできるだけ低くします。

スラリー液を扱うポンプでは、特に問題になるのが軸封です。軸封がグランドパッキンでもメカニカルシールでもスラリーを含んだ液がスタフィングボックス内に入り込まないようにします。 具体的には、外部からポンプの取扱液に混じっても問題のない清浄な液で、スタフィングボックス内の圧力よりも高い圧力で外部フラッシングします。ポンプの停止中も外部フラッシングは必要になります。外部フラッシングには、供給ポンプや配管のほかに検知装置などが必要になり、大変高価になります。

そこで、代替策としてサイクロンセパレータがあります。サイクロンセパレータは図2-14-1及び図2-14-2に示すように、一般には円錐形状です。微粒子ごみが混入した液をポンプの吐出し側からサイクロンセパレータの円周方向に流し込み、その中でら旋流を発生させます。 このら旋流によって発生する遠心力の差によって、微粒子ごみはサイクロンセパレータの内壁に押し付けられながら落下し、清浄になった液がサイクロンセパレータの上方から吐き出されて、スタフィングボックスへ送られます。サイクロンセパレータの下方はポンプの吸込側へ戻るようにします。

このように、サイクロンセパレータは微粒子ごみを含んだ液のときに利用されますが、微粒子ごみを含まない液の場合でも、万一微粒子ごみが侵入したときにでも問題を起こさないための安全対策として利用されることがあります。

図2-14-1 サイクロンセパレータ

図2-14-1 サイクロンセパレータ

図2-14-2 系統図

図2-14-2 系統図

執筆:外山技術士事務所 所長 外山幸雄

『遠心ポンプの実践講座』の目次

第1章 ポンプの仕様

第2章 ポンプの構成部品と役割

第3章 ポンプの据付けと試運転

第4章 ポンプの運転

第5章 ポンプの保守点検と省エネルギー

第6章 ポンプのトラブルと対策

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