工具の通販モノタロウ フルハーネス等の基礎講座 ガイドライン等による用語の整理(その1)

フルハーネス等の基礎講座

高所や急傾斜など墜落のおそれがある場所で作業を行う時、危険を防止するために装備する「墜落制止用器具」。本連載では、墜落制止用器具の種類や使い方から、墜落制止用器具に関する法規まで、墜落制止用器具利用への意識を高めてもらうための基礎知識を紹介していきます。
第1章 墜落制止用器具の法改正

1-3 ガイドライン等による用語の整理(その1)

第3.ガイドライン等による用語の整理(その1)

(掲載した墜落制止用器具や設備等の写真には旧規格が含まれている)

関連設備の用語等

(1)フルハーネス型墜落制止用器具

《ガイドライン》用語

「墜落を制止する際に身体の荷重を肩、腰部及び腿等複数箇所において支持する構造の部品で構成される墜落制止用器具をいう」(図1は行政資料から)。

図1
図1

 

(2)胴ベルト型墜落制止用器具

《ガイドライン》用語

「身体の腰部に着用する帯状の部品で構成される墜落制止用器具をいう。」

 

(3)環(D環)

用語 環(通称D環)

一般に、フルハーネス又はや胴ベルト型とランヤード等を接続するためのコネクタで、通称D環と呼んでいる。

写真1は、D環

写真1
写真1

 

(4)ランヤード

《ガイドライン》用語

「フルハーネス又は胴ベルトと親綱その他の取付設備(墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備をいう。)等とを接続するためのロープ又はストラップ(以下「ランヤードのロープ等」という。)及びコネクタ等からなる器具をいう。ショックアブソーバ又は巻取り器を接続する場合は、当該ショックアブソーバ等を含む。」

写真2は、ストラップ式ランヤード

写真2
写真1

 

(5)ワークポジショニング用ロープ

《ガイドライン》用語

「取付設備に回しがけするロープ等で、伸縮調節器を用いて調整したロープ等の張力によってU字つり状態で身体の作業位置を保持するためのものをいう。」

写真3は、ワークポジショニング用ロープ(CAMP社のフルハーネス用U字つりランヤード)

写真3
写真3

 

(6)ワークポジショニング(作業姿勢保持)作業

《ガイドライン》用語

「ロープ等の張力により、U字つり状態などで作業者の身体を保持して行う作業をいう。」

図2は、ワークポジショニング

図2
図2

 

(7)伸縮調節器

《ガイドライン》用語

「ワークポジショニング用ロープの構成部品の一つ。ロープの長さを調節するための器具をいう。」

写真4は、胴ベルト型柱上用U字つりランヤードと伸縮調節器

写真4
写真4

 

(8)コネクタ

《ガイドライン》用語

「フルハーネス、胴ベルト、ランヤード又は取付設備等を相互に接続するための器具をいう。」

墜落制止用器具に直接接続する器具であるフック、カラビナ、環等である。

写真5は、コネクタ

写真5
写真5

 

(9)フック

《ガイドライン》用語

「コネクタの一種であり、ランヤードの構成部品の一つ。ランヤードを取付設備又は胴ベルト若しくはフルハーネスに接続された環に接続するためのかぎ形の器具をいう。」

写真6は、フック

写真6
写真6

 

執筆: みなとみらい労働法務事務所 所長 菊 一 功

『フルハーネス等の基礎講座』の目次

第1章 墜落制止用器具の法改正

第2章 墜落制止用器具等の基礎知識

第3章 ハーネスの特徴

第4章 フルハーネスの使い方、使用する際の注意点

第5章 点検・保守・保管

第6章 墜落災害発生時の救助体制と延命措置

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