工具の通販モノタロウ フルハーネス等の基礎講座 ガイドライン等による用語の整理(その2)

フルハーネス等の基礎講座

高所や急傾斜など墜落のおそれがある場所で作業を行う時、危険を防止するために装備する「墜落制止用器具」。本連載では、墜落制止用器具の種類や使い方から、墜落制止用器具に関する法規まで、墜落制止用器具利用への意識を高めてもらうための基礎知識を紹介していきます。
第1章 墜落制止用器具の法改正

1-4 ガイドライン等による用語の整理(その2)

第4. ガイドライン等による用語の整理(その2)
関連設備の用語等

(10)カラビナ

《ガイドライン 》用語

「コネクタの一種であり、ランヤードの構成部品の一つ。ランヤードを取付設備又は胴ベルト若しくはフルハーネスに接続された環に接続するための環状の器具をいう。」

写真1 オーバル型カラビナ

写真1
写真1

 

(11)ショックアブソーバ

《ガイドライン 》用語

「墜落を制止するときに生ずる衝撃を緩和するための器具をいう。」

第一種ショックアブソーバ 自由落下距離1.8メートルで墜落を制止したときの衝撃荷重が4.0 キロニュートン(注;約400㎏重)以下であるものをいう。
第二種ショックアブソーバ 自由落下距離4.0メートルで墜落を制止したときの衝撃荷重が6.0 キロニュートン(注;約600㎏重)以下であるものをいう。

写真2は、上段が新規格の第二種用、中段が新規格の第一種用、下段が旧規格のもの

写真2
写真2

 

(12)巻取り器

《ガイドライン 》用語

「ランヤードのストラップを巻き取るための器具をいう。墜落を制止するときにランヤードの繰り出しを瞬時に停止するロック機能を有するものがある。」

写真3は、ロック機能付きランヤード

写真3
写真3

 

(13)補助ロープ

《ガイドライン 》用語

「移動時において、主となるランヤードを掛け替える前に移動先の取付設備に掛けることによって、絶えず労働者が取付設備と接続された状態を維持するための短いロープ又はストラップ(以下「ロープ等」という。)をいう。」

写真4は、補助ロープ

写真4
写真4

 

(14)安全ブロック

安全ブロックは、垂直に架設された梯子や電柱などを昇降する際に、墜落制止用器具のD環に接続して使用する器具。

ゆっくり引くとフリーだが、一定の荷重が掛かるとストッパーが掛かり停止するので、昇降時や低層作業では有効である。

墜落安全距離が確保できない低層作業では有効である。

写真5は、安全ブロック

写真5
写真5

 

(15)連結ベルト

安全ブロックのフックを背面D環に掛けにくい場合に使用する連結ベルトである。

写真6は、連結ベルト

写真6
写真6

 

執筆: みなとみらい労働法務事務所 所長 菊 一 功

『フルハーネス等の基礎講座』の目次

第1章 墜落制止用器具の法改正

第2章 墜落制止用器具等の基礎知識

第3章 ハーネスの特徴

第4章 フルハーネスの使い方、使用する際の注意点

第5章 点検・保守・保管

第6章 墜落災害発生時の救助体制と延命措置

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