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遠心ポンプの実践講座

本連載では、基礎講座に続き遠心ポンプにスポットをあて、ポンプを構成する部品の役割からポンプの点検の仕方、トラブルとその対策まで、 より実践的な知識をご紹介していきます。遠心ポンプの基礎講座はこちら>>
第1章 ポンプの仕様

1-1 ポンプを発注するときに必要になる仕様

ポンプを発注するに当たり、どのような仕様が必要になるのでしょうか。ホームセンターや通信販売などで購入できる安価なポンプは別として、 ポンプを発注するときに必要になる仕様の項目は「4-2 ポンプの選定 表4-2-1 選定及び設計のための仕様」にまとめて示しているので、そちらを参照してください。

これらの仕様は、ポンプの購入者が何も言わなくてもポンプメーカに以心伝心できるわけではありません。購入者からポンプメーカに仕様を逐一指定する必要があります。 仕様の項目で、例えば、「腐食性の有無」、「間欠運転の有無」などについて、 何も記載がなければ、ポンプメーカはこれらが「ない」としてポンプを選定します。 購入者が「液名からみれば腐食性は当然あるでしょう。 そんなことも知らないのはポンプメーカの責任だ」と、トラブルが起こってから言うことは避ける必要があります。 取扱液の特性、運転条件などについて、購入者は熟知しているのですが、ポンプメーカは知らないのです。

それでは、仕様を指定するときに注意する点を見ていきましょう。

仕様書として、まず発注仕様書(または購入仕様書と呼ばれる)があります。発注仕様書はすべての仕様をまとめたものになります。 この中には、発注時期、納期、設計仕様、塗装、検査、試験、溶接補修、予備品、梱包などの仕様が網羅されています。 これらの仕様のうち、設計、塗装、検査、試験、溶接補修、梱包などについては、一般には発注仕様書には仕様書の題目と図書番号だけを明記して、発注仕様書とは別に添付されます。

設計仕様に関しては、JIS B 8313、JIS B 8322、ANSI B 73.1、ISO 5199、API 610などの設計規格があります。この設計規格が仕様の中で最重要になります。 購入者においては、ポンプの重要度、運転予想年数、価格などを考慮して適用する設計規格を決める必要があります。 そして、適用する設計規格の中で、 一部だけ規格どおりでなく購入者の特別な仕様がある場合には、適用する規格の項番を明記してその後に購入者の特別な仕様を明記します。

また、注意する仕様としては「検査、試験」があります。検査および試験の具体的項目を、見積時または発注時に明確にしておく必要があります。 単に検査を実施して記録を提出するだけであればよいのですが、「立会検査」をするということであれば、ポンプメーカは一般には2週間前に立会検査日を購入者へ通知するので、工程および費用に影響が出てきます。

執筆:外山技術士事務所 所長 外山幸雄

『遠心ポンプの実践講座』の目次

第1章 ポンプの仕様

第2章 ポンプの構成部品と役割

第3章 ポンプの据付けと試運転

第4章 ポンプの運転

第5章 ポンプの保守点検と省エネルギー

第6章 ポンプのトラブルと対策

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