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照明のことが分かる講座

照明とは人々の生活に役立つ光の仕事のことを言います。 照明の主光源がLEDに変わりつつあるなか、照明を知ることで生活はより豊かに変わります。 そこで本連載では照明の基礎知識から光源や照明器具の種類、照明方式、照明がもたらす心理・ 生理効果を分かりやすくご紹介していきます。
第3章 照明のことが分かる講座

3-6 ペンダントライト器具とは

ペンダントの配光と用途

消費税が導入される前、個別消費税の一種で物品税がありました。これは主に贅沢品に課せられる税で、照明器具では一基に5灯以上のランプをもつ天井吊り下げ器具のシャンデリアが対象になっていました。

同じように天井吊下げ器具にペンダントライト器具(以下、ペンダント)があります。これはおもに1灯用の器具、もしくは一つの灯具の中に数灯のランプが付いている器具のことで、一昔であれば贅沢品ではなかったと思われますが、今日では種類も豊富で価格もピンキリです。

本来、ペンダントは天井高のある空間に吊り下げて使用することで効果を発揮します。例えば下方に多くの光が出る直接形照明もしくは半直接形照明の配光器具は照射面に近づくほどその面を明るく照らします。また器具自体が輝いている全般拡散形照明の配光器具はあたかも光が中空に浮いている様に見え、インテリアのアクセントになっています。

住宅では玄関や階段室の吹き抜けにしばしば使われますが、最も多くペンダントが使われているところは食卓の照明だと思います。ペンダントをテーブル面上に吊り下がることで、テーブル面が明るくなり料理がおいしそうに浮かび上がるからです。特に下面開放のシェード(笠)付きペンダントはテーブル面を明るくしますが、一方で天井面が暗くなる恐れがあるので、別に天井を明るく照らす器具との併用が望まれます。(写真1 不透過材のシェード付きペンダントによるレストラン照明。天井が暗くなりがちなため壁面照明で空間の明るさ感を補っている。)

(写真1)

(写真1)



シェード付きペンダントは一般に下面が円形になっており、例えばテーブルの長手が1,5mあれば、その長さに対して1/3ほどの直径を持つ器具がテーブルの大きさとバランスが取れやすいです。この場合、ペンダントがLED電球用であれば大体60~100形相当が使用可能になります。同じ大きさのテーブルでペンダントを2灯使用したいのであれば図1の右を参考にすると良いでしょう。なお図2は6人掛けテーブルでペンダントを3灯取り付けたイメージです。

図1
図1

図2
図2

いずれにしても器具の取付け高さはペンダントのデザインにもよりますが、テーブル面上から器具の下面までおよそ70cmを目安にすると通常視点でバランスが取れます。またランプは好みにもよりますが電球色が奨められ、さらに演色性の高いものが料理をおいしそうに見せます。

以上の他に住宅でペンダントが使われる場所として和室があります。天井が竿ぶちや船底天井のように天井に直付けが難しい場合、和風の大型ペンダント(全般拡散形か半直接形配光器具が多い)が部屋中央の天井面に近い位置に取り付けられることがあり、部屋全般を照らします。(写真2 ダイニングルームで食卓の照明兼部屋全般を照明しているイメージ)

(写真2)

(写真2)



ペンダントの取り付けと位置調整

住宅でのペンダントは一般に引っ掛けシーリング・ローゼットに取り付けることが多いです。また器具の取り付け位置の自在度をある程度求めたい場合はライティングレールを天井に取り付けてから、レール専用のプラグ付きペンダントをレールの走っているところに取り付けます。

既成のペンダントは器種によってコードの長さが決まっており、カタログなどに掲載されています。もしそれ以上長くして使う場合は別途費用が掛かりますが購入前に長さを変えてもらうことになります。またペンダントは灯具の重量によって吊り方があり、通常5kg以内であればコード吊り(キャブタイヤコードや丸打ちコード)で、それ以上はワイヤーやチェーン吊りなどになります。

コードペンダントでコードの長さが余るようなことがあれば、余ったコードをコード収納フランジに収めたり、写真3のようにコード長調整アダプタ(コードリール)を使ったりして調整します。またライティングレール用であれば別売りの吊りフックを使って位置や高さの調整が可能になります。(写真3 コードリール付きペンダント)(写真4、5 ライティングレールとレール用吊りフック)

(写真3)
(写真3)

(写真4)
(写真4)

(写真5)
(写真5)

執筆: 中島龍興照明デザイン研究所 中島龍興

『照明のことが分かる講座』の目次

第1章 照明の基礎知識

第2章 光源の種類と特徴

第3章 LED照明器具の選び方

第4章 照明方式

第5章 照明の視覚心理・生理

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