建築設備配管工事の基礎講座
5-1 水配管系配管の水密テスト・気密テスト
ダクト工事では、多少の空気漏洩は看過されるが、配管工事では流体のいかなる漏洩も許されない。配管工事の「品質保証」をする上で、極めて重要なプロセスが、「水密テスト」と「気密テスト」である。
配管テストの種類には、多種多様な方法があるが、ここでは一般的に汎用されている配管系統の「水圧テスト」と「空気圧テスト」について紹介しておきたい。
(1)水圧テスト:このテストは、施工した配管系に水を充填して、「テストポンプ」で「所定圧力」まで加圧し、「最小保持時間(分)」を維持し、配管系からの漏水の有無を確認するテストである。ちなみに、この「所定圧力」と「最小保持時間(分)」は、「国土交通省機械設備工事共通仕様書」では、配管種別により下表のように定められている。
耐圧試験の実施に際しての留意事項は、以下のとおりである。
1.試験を行う配管系統内の機器・弁・継手などが、「静水頭」を含めて試験圧力以上の「耐圧力」があることを事前に確認しておくこと。
2.試験の前には、必ず対象配管系内の「プラグ」などの止め忘れや試験区画境界にある「フランジ」などの遮蔽板・配管接続部・弁などの点検を実施し、試験完了後には、使用した「遮蔽板」は、必ず外すことを忘れないこと。
3.機器類の耐圧力が試験圧力以下の場合には、配管出入り口(配管末端)の弁を全閉にするのではなく、必ず「遮蔽版」を入れて縁を切り、機器類を試験の圧力から保護すること。この場合、配管出入り口(配管末端)に弁があっても、弁を全閉にして縁を切るのではなく、必ず「遮蔽板」を使用して縁を切ること。
4.試験に使用する機器(テストポンプ・試験用圧力計など)は、整備・点検し機能上支障のないものを使用し、「試験用圧力計」の目盛りは、適正なものを採用すること。
5.水圧試験中に、漏水による被害のおそれがある場合、または広範囲で事前に事前点検が必要な場合には、所定試験圧力の1/3程度の「気圧試験」をまず実施し、その後規定の水圧試験を実施することが望ましい。
- 開口部にプラグ止めを設ける
- 上部の開口より給水を行って館内を、満水にする
- 上部から管内の空気を抜いてから弁を閉じる
- 空気が抜けたらプラグ止めをする
- 水抜き弁を閉じる
- 満水後漏れの呼び確認を行う
- 予備確認後、電源を入れて水圧テストポンプを起動して水圧をかける
- 水圧は急速に上げてはいけない。漏れの状況を確認しながらテスト圧まで徐々に加圧して所定の時間放置し漏れを確認する
- 最終漏れ確認を行う
- 漏れなしの確認ができたら内部の加圧水を徐々に抜く
(2)空気圧テスト:このテストは、「寒冷地」などで水を配管内に満水状態にしておくと配管が凍結破壊するおそれのある場合などに採用される。
「空気圧テスト」を実施する場合には、「水圧テスト」を実施する上での留意事項の他に、特に次のようなことに留意する必要がある。最初に試験圧力の50%まで順次加圧し、異常の有無を確認し、異常がない場合にはその後10%ずつ段階的に試験圧力まで加圧する。空気は「圧縮性流体(豆知識参照)」であり、上述の水圧テストと異なり万一漏れがあると危険なので、試験に際しては「安全対策」を行う必要がある。なお、空気圧試験は、外気の影響で圧力が変動するので、日中気温の変化の少ない時に実施した方がよい。
「非圧縮性流体」とは、どんな力を加えても体積が変化しない流体。「弾性率」に対し「圧縮変化」が無視できる流体、あるいは流体運動に伴う「密度変化」が無視できる流体。配管の「水圧テスト」に採用される水は、「非圧縮性流体」として扱われる。
一方、「圧縮性流体」とは、気体のように容易に圧縮できる流体のこと。配管の「空気圧テスト」に採用される空気は、「圧縮性流体」として扱われる。
『建築設備配管工事の基礎講座』の目次
第1章 建築設備と建築設備配管
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1-1建築設備とは?建築設備は、かって「建築(建物)」に付属する設備、すなわち「建築付帯設備」と呼ばれていた「不遇(?)の時代」があった。
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1-2配管方式の分類配管は、人体例えれば、建築設備の各所に「血液」を送ったり戻したりする「血管」そのものであると既述したが、配管の諸方式は次のように「層別」できる。
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1-3建築設備配管工事の種類建築設備配管工事の分類には、「様々な切り口」からの分類があるが、ここでは、まず「用途別配管工事」という観点から、「空調用設備配管工事」と「給排水衛生用設備配管工事」とに大別して紹介してみたい。
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1-4建築設備配管材料の種類建築設備用配管材料には、多種多様な品揃えがあり、特に現在では、「給排水衛生設備」用配管材料は複雑多岐にわたっている。
第2章 建築設備用配管材料の種類
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2-1配管用炭素鋼鋼管建築設備用配管材料の中で、最も広範に使用されているのが、「配管用炭素鋼鋼管(SGP:Steel Gas Pipe)(以降SGPと称す)」である。
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2-2圧力配管用炭素鋼鋼管この鋼管は「STPG」という略称で呼ばれているが、”Steel Tubing Piping General”の頭文字を省略したものである。
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2-3配管材料:銅管(Cu)昔から”銅壺の水は腐らない!”というように、銅は「抗菌作用」を具備している。また、銅というと日本史に興味ある人なら、先ず708年(和同元年)に日本で鋳造された銅貨:和同開珎を連想するのではないだろうか?
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2-4配管材料:ステンレス鋼管(SUS)ステンレス配管の原材料となる「ステンレス鋼(以降SUS鋼という)」は、「不とう鋼」とも呼ばれる。管表面に「不働態被膜(技術用語参照)」を形成するので、文字通り「錆び(Stain)の無い(less)鋼」、または「錆びにくい鋼」、いわゆる「耐食材料」とみなされているが、明確な定義はなく一般的に「12%以上のクロムを含む鉄合金」と考えてよい。
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2-5配管材料:樹脂内面被覆鋼管(内面ライニング鋼管)樹脂内面被覆鋼管(内面ラニング鋼管)とは、鋼管(SGP)の内面に「樹脂管」を内装(ライニング:豆知識参照)した「複合管」の総称である。
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2-6水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管についてかつて、給水配管専用の「水道用亜鉛めっき鋼管(JIS G 3442・SGPW・通称:ダブダブ管)」が存在したが、現在その名称だけが「水配管用亜鉛めっき鋼管」に変更されて現存している。
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2-7水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管について空調設備用配管では、「密閉系配管」が主流なのであまり耳にしないが、衛生設備配管では、給水設備配管の腐食による「水道水質」の問題が話題になる。
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2-8硬質ポリ塩化ビニル管について「プラスチック管」は、「硬質ポリ塩化ビニル管」と「ポリオレフィン管」に大別される。
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2-9ポリオレフィン管既述のように、樹脂管(プラスチック管)である「ポリオレフィン管」の代表的なものには、「ポリエチレン管」と「ポリブテン管」がある。
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2-10鉛管と無機材料管鉛管は、最も古くから使用されている配管材料で、広く「工業用配管」や「給排水配管」などに使用されてきたが、最近では「給水水道管」には、全く使用されなくなってきている。それどころか、かつて「水道管」として布設されてしまった「水道用鉛管」は極力掘り返され撤去され、現在他の水道配管材料に取り替えられる方向にある。
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2-11多層複合配管材料(各メーカ規格)既存の配管材料の他に、さまざまな規格(JIS・JWWA・WSP・SHASE-Sなど)には規定されていませんが、「優れた特徴」を兼ね備えた「多層複合配管材料」、が各社で開発され、空調設備や給排水衛生設備の配管材として採用され普及している。
第3章 配管の接合方法の種類
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3-1炭素鋼鋼管(SGP)の切削ねじ接合方法鋼管(SGP)接合方法の代表的な方法には、①切削ねじ接合方法、②転造ねじ接合補法、③メカニカル接合方法、④溶接接合方法がある。
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3-2炭素鋼鋼管(SGP)の転造ねじ接合法中空管」に「塑性変形(plastic deformation)」を加えて、「転造ねじ加工」をほどこした「転造ねじ加工配管」の開発は、日本が世界に誇れる「ねじ配管技術」である。
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3-3炭素鋼鋼管(SGP)のメカニカル接合法「メカニカル接合法」は、別名:「機械的接合法」とも呼ばれている。筆者の偏見かもしれないが、前項・前々項の「ねじ接合法」や後述の「溶接接合法」と比べると、技術的に比較的簡単な接合法と思われる。
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3-4炭素鋼鋼管(SGP)の溶接接合法(前編)溶接接合法は、建築設備では大口径管(一般的には65A~350A程度)に採用され、非常に「信頼性のある鋼管接合法」であるが、「溶接工の熟練度」を必要とする接合法でもある。
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3-5炭素鋼鋼管(SGP)の溶接接合法(中編)「不活性ガス溶接法」とは、アーク溶接部を「アルゴン」のような「不活性ガス」で包み、完全に空気を遮断して溶接する接合方法で、「TIG溶接」と「MAG溶接」が代表的なものである。空調・衛生設備配管などでは、前者の「TIG溶接」が採用されている。
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3-6炭素鋼鋼管(SGP)の溶接接合法(後編)溶接接合配管は、オフ・サイトの配管加工場で「プレハブ加工」して、加工部材を現場で組み立てるだけにするような理想的な方法もあるが、ほとんどケースは現場で溶接作業を実施し、配管を延ばしていくという形をとる。
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3-7一般用銅管(JIS H 3300:通称Cu)の接合法代表的な銅管の接合法には、①軟ろう付け(はんだ付け)接合法、②硬ろう付け(ろう付け)接合法、③機械的接合法(メカニカル接合法)がある。
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3-8冷媒用銅配管(JIS B 8607)の接合法ここでいう「冷媒用配管」とは、「ビルマルチ空調方式」に使用される冷媒配管のことである。「ビルマルチエアコン」が日本で開発され1982年(昭和57年)に登場以来、すでに40年近くが経過しようとしている。
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3-9ステンレス鋼管(SUS)の接合法筆者が建築設備業界に飛び込んだ、1965年(昭和40年代)は、ステンレス鋼管(SUS、以降SUS鋼管と称す)は、建築設備配管工事に採用するには、あまりに価格が高く(材料費・配管工費とも)、「高嶺(高値?)の花」であった。
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3-10内面塩ビライニング鋼管:ねじ配管接合法代表的な「内面ライニン鋼管」には、「水道用硬質塩ビライニング鋼管(JWWA K 116)(以降塩ビライニング鋼管と称す)」と「水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管」があるが、本項および次項では、「内面塩ビライニング鋼管」の「ねじ接合法」および「溶接接合法」についてのみ紹介する。
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3-11内面塩ビライニング鋼管:溶接配管接合法本項の冒頭に特記しておきたいことは、本管の65A以上の大口径管の「溶接接合法」には、どうしても高熱の発生が伴うので、可能な限り「高熱の影響」を避けることが不可欠である。
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3-12硬質ポリ塩化ビニル管:差込み接着接合法(TS接合法)本管は通称:硬質塩ビ管(略称:VP)と呼ばれているが、その代表的な接合法には、1.差込み接着接合法(TS接合法)と2.ゴム輪接合法(RR接合法)の2種類がある。
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3-13硬質ポリ塩化ビニル管:ゴム輪接合法(RR接合法)(1)ゴム輪接合法(RR接合法)の原理:本接合法は、「RR接合法」と呼ばれているが、”Rubber Ring Joint”の略号を取ったものである。本接合法は、一口で言えば、”管または異形管の接合部に予め「ゴム輪」を装着できる受け口を形成し、「管の差し口」と「ゴム輪表面」に「滑材」を塗布して挿入接合する”接合法である。
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3-14ポリエチレン管(PE)の接合法ポリエチレン管(PE)の配管接合法を紹介する前に、ここで「PEの沿革と関連情報」について、少し紹介しておきたい。実は、1953年(昭和28年)に製品化された「ポリエチレン管(PE)」は、水道用給水管や一般用鉱工業向けの配管、農業・土木用集排水管などに広く使用されてきた。
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3-15ポリブテン管の接合法1997年(平成9年)9月に、水道用ポリブテン管(JIS K 6792)・水道用ポリブテン管継手(JIS K 6793)が制定された。これにより、0.75MPa以下の水道用配管材料として、「直結給水部分」などへの使用が可能になり、「ポリブテン管の使用範囲」は更に広がった。ちなみに、ポリブテン(PB)管の接合法には、「ポリエチレン管(PE)」や「架橋ポリエチレン管(PEX)」と同様に、以下の3方式がある。
第4章 配管工事を支える補助部材
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4-1配管継手類(pipe fittings)配管工事を施工する上で、「直管」とともに「配管継手(管継手)」は、不可欠な材料である。
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4-2弁(バルブ)類バルブ(valve)とは、設備用配管を構成する「部材」で、配管における「流体制御」を司る『配管のお巡りさん』とも呼ばれている。バルブは”流体を流したり、止めたり、制御するため、内部に可動機構を有する配管機器”と定義されている。
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4-3計器(ゲージ)類配管系に取り付けられる代表的な「計器類(gauges)」は、1.温度計、2.圧力計、3.流量計の3種類である。
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4-4配管機器・固定支持材料配管工事は、鋼管(SGP)のねじ接合配管工事を例にとると、通常1.配管材料の選定⇒2.配管の切断⇒3.ねじ加工(ねじ切り)⇒4.ねじ込み作業⇒5.配管取りつけ作業⇒6.漏洩試験の実施⇒7.試運転調整というプロセスを踏むことになる。このプロセスの5で必要不可欠な補助部材が、実は「配管機器・支持材料」である。
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4-5伸縮管継手と変位吸収管継手第4章の4-1.で「配管継手類(pipe fittings)」について紹介させていただいたが、本稿では、継手は継手でも上記の「特殊継手」について、是非紹介しておきたい。
第5章 配管のテストと試運転
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5-1水配管系配管の水密テスト・気密テストダクト工事では、多少の空気漏洩は看過されるが、配管工事では流体のいかなる漏洩も許されない。
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5-2水配管系配管の試運転調整水配管の耐圧テストが完了したら、次に待ち受けている工程は、「試運転調整業務」で、つぎのような手順で実施する必要がある。
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5-3ビルマルチ空調用冷媒配管の耐圧・気密テストビルマルチ空調用冷媒配管からの「冷媒」の漏洩を防止することは、「品質保証(QA:Quality Assurance)」の観点や「地球環境保護」の観点からも、極めて重要なことである。
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5-4ビルマルチ空調用冷媒配管の試運転調整:「真空引き作業」ビルマルチ空調システムの「試運転調整段階」にこぎつけるまでには、冷媒配管完了後、冷媒配管の「耐圧・気密試験」⇒「真空引き作業」⇒「冷媒充填作業」という工程を踏むことが不可欠である。「耐圧・気密試験」に関しては、前項:5-3で紹介したので、ここではその後工程になる「真空引き作業」の「目的・実施要領・留意点」などについて述べる。
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5-5ビルマルチ空調用冷媒配管の試運転調整:「冷媒充填作業」ビルマルチ空調システムの「試運転調整段階」にこぎつけるまでには、冷媒配管完了後、冷媒配管の「耐圧・気密試験」⇒「真空引き作業」⇒「冷媒充填作業」という工程を踏むことが不可欠であると既述したが、ここではその最終工程である「冷媒充填作業」の目的・実施要領・留意点などについて述べる。
第6章 配管に関するトラブル対応
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6-1配管の寿命と更新中国語に”十全十美”という成句があるが、これは”完全無欠”という意味であるが世の中に「完全無欠」なる商品は存在しない。
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6-2配管の腐食問題入門配管のトラブルで最も多い事例は、「金属材料配管」による「腐食の問題」である。(1)配管腐食とは?
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6-3配管材料の局部腐食の種類前項で”多くの場合問題となるのは「局部腐食」である”と述べたが、「局部腐食」といってもその種類は20近くも存在する。ここでは、その中でも我々がよく遭遇する「代表的な局部腐食例」(順不同)を簡単に紹介しておきたい。
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6-4空気中・水中・土中における配管腐食配管腐食には、配管の布設環境によって、1.空気中における腐食、2.水中における腐食、3.土中における腐食と大別できる。ここでは、紙面の制約上、それらの腐食対策まで言及できないのは残念であるが、それぞれの概論のみを述べるにとどめたい。
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6-5配管工事トラブルクレーム:空調設備編配管工事に精通していなかったり、設計図・施工図が不備なために生じる「3T工事(手待ち工事・手直し工事・手戻り工事)」に遭遇することがよくある。
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6-6配管工事トラブルクレーム:給排水衛生設備編配管工事に精通していなかったり、設計図・施工図が不備なために生じる「3T工事(手待ち工事・手直し工事・手戻り工事)」を余儀なくされることがある。