工具の通販モノタロウ 配管・水廻り設備部材 建築設備配管工事の基礎講座 ビルマルチ空調用冷媒配管の試運転調整:「冷媒充填作業」

建築設備配管工事の基礎講座

空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第5章 配管のテストと試運転

5-5 ビルマルチ空調用冷媒配管の試運転調整:「冷媒充填作業」

ビルマルチ空調システムの「試運転調整段階」にこぎつけるまでには、冷媒配管完了後、冷媒配管の「耐圧・気密試験」⇒「真空引き作業」⇒「冷媒充填作業」という工程を踏むことが不可欠であると既述したが、ここではその最終工程である「冷媒充填作業」の目的・実施要領・留意点などについて述べる。

(1)冷媒追加充填量(kg)の算定

ビルマルチ空調ユニットの工場集荷時には、冷媒はその機種の「標準配管長さ充填分」の冷媒量は含まれているが、「延長配管分」の冷媒量は含まれていない。

したがって、冷媒配管径や冷媒配管長は各現場ごとに異なるので、冷媒配管施工図に基づいて、その分に見合う冷媒を当然追加・充填しなければならない。

ただし、各ビルマルチユニットメーカーによって、「追加冷媒量」が異なるので、「追加冷媒量算定法」については、各メーカーと別途打ち合わせをする必要がある。

(2)冷媒充填作業実施要領

その作業手順を以降に示す。ちなみに、図-1は、ビルマルチ空調用冷媒管への「冷媒充填作業」を示したものである。

図-1 ビルマルチ空調用冷媒管への冷媒充填作業

1.「真空引き作業」により、「真空乾燥」が完全に完了しているかを確認すること。
2.「冷媒追加充填量」は、表-1に示す「冷媒液管口径サイズ別係数」を用いて、次のような計算式を用いて算出する。

◇冷媒追加充填量(kg)=(液管口径別の合計長さ)×(係数:表-1参照)-(機種による冷媒補正量)

表-1 冷媒液管口径サイズ別係数

3.「台秤」で、冷媒ボンベの冷媒充填量を正確に測る。
4.図-1に示すように、屋外機の「液管(高圧側)」の「サービスポート」に「ゲージマニフォールド」のホースを接続し、「サービス弁」を開状態に充填して「液状状態」にて冷媒を充填する。この場合、「接続ホース内」および「ゲージマニフォールド部分」の空気を完全に追い出してから「冷媒充填」を開始すること。
5.管内が「真空状態」でも、冷媒を充填しきれなかった場合には、屋外機の「冷媒追加充填」を実施し、冷媒を追加する。
6.冷媒充填後、室外機や室外機の「フレア接合部」などで、「冷媒の漏れ」がないことを確認すること。

図-2 冷媒銅配管のフレア接合

7.追加充填した冷媒量を、屋外機の「冷媒追加指示銘板」に記入する。

【注意事項】「R407C冷媒」および「R410A冷媒」の追加充填

追加冷媒は、必ず「液体の状態」で充填すること。ちなみに「R407冷媒」および「R410A冷媒」は「混合冷媒」である。

したがって、冷媒ガスを封入すると「蒸発しやすい冷媒ガス」だけが封入され、蒸発しにくい冷媒が冷媒ボンベ内に残ることがある。

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男
  

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

    

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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