工具の通販モノタロウ 快適空間へ導くLED照明実践講座 シーリングライト(小型)の選び方

快適空間へ導くLED照明実践講座

モノタロウの本連載では、シーリングライトをはじめ屋内・屋外で使用する多種多様なLED照明の種類や、空間を快適にするための設置方法について、実践的で役立つ知識をご紹介していきます。
第1章 ベースライトの選び方

1-2 シーリングライト(小型)の選び方と取り付け方

小型シーリングライトとは

シーリングライトとは天井直付け器具のことを言います。大型と小型があり、その違いは一般に器具の大きさの違い、と考えられそうですが、特に公の基準はないようです。そこでここでは一灯あたりの明るさ(光束量)で、前回紹介した住宅の主照明用として使われる天井直付けを大型シーリングライトとすれば、LEDシーリングライトの適正畳数の表示基準(日本照明工業会)に載っていない、4畳半以下の空間で使用する2200lm以下の器具を小型シーリングライトとします。

なお、メーカによっては2200lmを若干超えるものも小型と称している場合があります。

小型シーリングライトの種類と用途

単体で使用する場合、おもに狭い空間の全般照明用として選ばれます。天井に埋め込むスペースがない場合や天井に穴を開けたくない場合に使われ、器具のデザインは大別すると以下に紹介する5つの形状に集約されます。

(1)グローブ形(丸形)


発光部が丸形で乳白もしくは透明のガラスやアクリル、ポリカなどの素材が採用されています。住宅では光の柔らかい乳白グローブタイプが選ばれ、トイレや洗面、玄関、廊下など照明に使われています。

グローブ形(丸形)
写真1 グローブ形(丸形)


(2)コップ形


シリンダー形とも言われ、発光部の素材は丸形と同様です。狭い空間で使われると壁面により多くの光が当たります。乳白のコップ形は準全般配光のLED電球を選ぶと写真2のようにソケット近くが暗くなるので、全般配光を選ぶようにします。これはコップ形に限ったことではありません。

泡入りやカットガラスのコップ形はフィラメントが見えるクリア電球(またはクリア電球形LED)を使用することで、天井や壁の上部にガラスの模様が映り、独特な雰囲気をつくります。(写真3)

配灯デザインを考えながら複数灯を取り付けることで、広めの空間で全般照明を可能にし、天井面が明るく華やいだ感じになります。(写真4)

なおグローブやコップ形にはバスルームにも使用できる防湿型がある。

コップ形
写真2 LED電球の選択でコップの光方が変わる。

コップ形
写真3 コップ形。ガラスの模様が天井に映る。

コップ形
写真4 コップ形4灯による待合の照明


(3)ドラム形


たらいのような円筒形で、発光部は乳白のアクリルを使用することが多いです。一般にコップ型に比べ発光面が広いので、より柔らかな照明効果が得られます。(写真5)

ドラム形
写真5 ドラム形


(4)ペン(ボウル)形


皿の形で高級器種は乳白や泡入りガラスが使用される。床面方向より天井面を明るく照明するため、間接的な照明効果とボウルの輝きによっては装飾的効果が空間に期待されます。(写真6)

ペン(ボウル)形
写真6 ペン形


(5)シャンデリア形


多灯用の直付け器具で装飾性に富んだデザインが多いです。明るさより華やかな空間にしたいときに選ばれます。(写真7)

シャンデリア形
写真7 シャンデリア形

 

器具の取り付け方法

小型直付け器具は大型同様、一般に引っ掛けシーリング(ローゼット)に取り付けられますが、引っ掛け埋め込みローゼットの場合、ローゼットの出シロ(厚み)が10㎜以下は取り付けができない器種もあるので注意が必要です。またケースウェーイに取り付いているものも不可能です。(写真8)

器具は引っ掛けシーリング(ローゼット)に取り付ける以外に、天井材、または天井内に垂木を設けてネジで取り付けることもあります。引っ掛けシーリング用を除くと器具は固定されるため、明るさや照明効果が出ないからと言ってやり直しが簡単にできないため、設計の段階で正確性が求められます。

ケースウェーイ
写真8 ケースウェーイ

 

執筆: 中島龍興照明デザイン研究所 中島龍興

『快適空間へ導くLED照明実践講座』の目次

第1章 ベースライトの選び方

第2章 スポットライトの選び方

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