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建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第2章 建築設備用配管材料の種類

2-7 水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管

空調設備用配管では、「密閉系配管」が主流なのであまり耳にしないが、衛生設備配管では、給水設備配管の腐食による「水道水質」の問題が話題になる。

これは、給水配管が「一過性」の配管で、給水中に多くの「溶存酸素(DO)(技術用語参照)」が含まれていることに起因すると思われる。

【技術用語】溶存酸素(DO:Dissolved Oxygen)

溶存酸素(DO)とは、水中の溶解している酸素のことで、必ずしも「水質汚濁」を示す指標ではない。 しかし、酸化物・亜硫酸第一鉄などの「還元性物質」による「直接酸化」、および生物学的に「有機汚濁物」を浄化する「微生物」の生活・「魚介類」の生活などにとっては欠くことのできない項目である。したがって、DOの少ない水は、「水中生物」に害を及ぼすため、水質の重要な「測定項目」になっている。

ところで、水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管(以降ポリ粉体ライニング鋼管と称す)は、鋼管(SGP)の内面に「ポリエチレンの粉体」をライニングし焼き付けした「防食管」である。 従来、水道用配管の主流であった、「水道用亜鉛めっき鋼管(SGPW・通称:ダブダブ管)」で生ずる、「白濁現象・赤水現象(技術用語解説参照)」などの異常水道水質を防ぐ目的で開発されたポリ粉体ライニング鋼管である。

【技術用語解説】水道水の「白濁現象」と「赤水現象」等とは?

  • (1)白濁現象
  • 水道水質異常に一つで「白濁」した水道水のことで、「白水現象」とも呼ばれる。原因は、1水中に微細気泡、2亜鉛の溶解などによるもの。
  • (2)赤水現象
  • 水道水質異常の一つで、「赤(褐)色」の水道水のこと。原因は、1.鉄管(給水管)の錆、2.鉄バクテリア、3.マンガンと鉄錆などによるもの。
  • 主原因となる「赤さび」は、鉄の表面が酸素と結合して生じる「赤褐色」の金属酸化物で、給水管・給湯管に鉄管(SGP)を使用すると赤水に起因する「赤水出水」の原因となる。
  • (3)黒水現象
  • 水道水質異常のひとつで、「黒(赤)色」の水道水のこと。マンガンの含有に起因するもの。
  • (4)青水現象
  • 水道水質異常の一つで、「青色」の水道水のこと。銅配管からの「銅イオン」の溶出に起因する。

ちなみに、前項で紹介した「塩ビライニング鋼管」と共に、「ポリ粉体ライニング鋼管」は、鋼管(SGP)との「内面樹脂被覆鋼管」の代表であり、現在給水配管の主流となっている。このポリ粉体ライニング鋼管には以下のような特徴がある。

(1)原管(母管)は、SGP(JIS G 3452)を使用している。

(2)SGP内部の「ポリエチレン粉体」のライニング厚さは、口径:15〜25Aでは0.30mm、口径:32〜50Aでは0.35mm、口径:65〜100Aでは0.40mmとなっている。

【豆知識】ポリエチレン粉体の「膜厚」が薄いので「塩ビライニング鋼管」の場合と異なり、「転造ねじ配管(後述)」の接合にも適用できるようになった。

(3)外面仕上げの方法は、PA:一次防錆仕上げ(管外色:茶色)、PB:亜鉛めっき仕上げ(管外色:亜鉛めっき(水配管用亜鉛めっき鋼管(SGPW)と同様))、PD:ポリエチレン(PE)被覆仕上げの3種類がある。

 

 



執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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