工具の通販モノタロウ ねじの基礎講座 アルミニウム材料とチタン材料

ねじの基礎講座

私たちの身近にあって欠かせない存在、「ねじ」。
ねじにはどのようなはたらきや歴史があり、どんな種類があるのか。
本連載では、ねじに関するさまざまな事項をご紹介していきます。
第4章 ねじの材料

4-4 アルミニウム材料とチタン材料

アルミニウムは密度が鉄の約3分の1と軽量であり、銅と同じく電気や熱を伝えやすいことや加工しやすい性質をもつ、白色光沢の金属です。 アルミニウムを99%以上含んだ純アルミには強度がそれほどありませんが、さまざまな元素を添加したアルミニウム合金にすることで強度や耐熱性、耐摩耗性などの機械的性質を向上させることができます。 JISではアルミニウムの英語表記であるAluminiumの頭文字であるAの後に4桁の数字で型番を表記します。

代表的なアルミニウム合金として、アルミニウムに銅を加えたジュラルミン(A2017)や超ジュラルミン(A2024)などがあり、適切な熱処理を施すことで鋼材に匹敵する引張強さを得られます。 ただし、銅を含むことで耐食性が劣ります。 アルミニウムにマグネシウムを加えたA5005やA5052などの合金は、中程度の強度ながらの耐食性や加工性に優れています。 また、アルミニウムに亜鉛やマグネシウムを加えた超々ジュラルミン(A7075)は最大の強度をもつアルミニウム合金であり、航空機部品などに用いられています。

このような優れた性質をもつアルミニウム合金は工業の分野で幅広く用いられています。 これをねじに積極的に適用すれば軽量化などメリットが大きいと感じますが、実はアルミニウムのねじはまだそれほど普及していません。 その理由として、鉄鋼の部材をアルミニウムのねじで締結しようとすると異種の金属が接することによる腐食の発生や温度変化に応じた熱膨張率が異なることにより緩みが発生するおそれがあることなどがあげられます。

  • 図1 アルミニウムの板
  • 図1 アルミニウムの板
  • 図2 アルミニウムの丸棒
  • 図2 アルミニウムの丸棒

チタンは密度が鉄の約3分の2と軽量であり、耐食性や耐熱性、また生体適合性に優れた性質も備えた、非磁性で銀灰色の金属です。 これらの特性を生かして、チタンは航空宇宙や船舶海洋などの分野から人工歯根や人工骨など、幅広く用いられています。

チタンにも純チタンとチタン合金があり、両者の用途はやや異なります。純チタンの引張強さは鉄鋼材料と同程度であるため、強度よりも耐食性を生かした用途に用いられます。 高強度のチタン合金はアルミニウムやバナジウムなどを添加したものであり、引張強さが1000N/mm²以上もつ種類もあります。 これにアルミニウムが6%、バナジウムが4%含まれるため、64チタンと呼ばれます。 チタンは高価であることや加工が難しいことなどから、工業の分野ではアルミニウムほど幅広くは用いられておりませんが、ねじとしての用途はアルミニウムよりも普及しつつあります。

  • 図3 純チタンの板
  • 図3 純チタンの板
  • 図4 純チタンの丸棒
  • 図4 純チタンの丸棒

  • 図5 チタンのねじ
  • 図5 チタンのねじ
  • 図6 六角ボルト(純チタン)
  • 図6 六角ボルト(純チタン)

  • 図7 六角穴付きボルト(64チタン)
  • 図7 六角穴付きボルト(64チタン)
執筆:神奈川工科大学 門田和雄 教授

『ねじの基礎講座』の目次

第1章 ねじのキホン

第2章 ねじの種類

第3章 ねじの強さ

第4章 ねじの材料

第5章 ねじの作り方

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