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ねじの基礎講座

私たちの身近にあって欠かせない存在、「ねじ」。
ねじにはどのようなはたらきや歴史があり、どんな種類があるのか。
本連載では、ねじに関するさまざまな事項をご紹介していきます。
第1章 ねじのキホン

1-1 ねじのはたらき

ねじは私たちの身の回りに数多く用いられている代表的な機械要素です。家電製品やパソコン、また乗り物や建物などにも、さまざまな種類のねじが用いられています。それでは、どうしてねじはこんなに多くの場面で用いられているのでしょうか。

ねじのはたらきとして、まず思い浮かべるのは、部材と部材を締め付けて外れないようにすることでしょう。この「締結」がねじの代表的なはたらきです。部材と部材を外れないようにするには、接着剤で固定するという方法もありますが、これとねじによる締結はどんな違いがあるのでしょうか。 接着剤には、その先も部材と部材が永久に離れないということが望まれます。金属と金属の部材を溶かして接合する溶接もこれと同じく、二度と外れなくてよいということを望んだ加工です。

これに対して、ねじによる締結は部材と部材は離れないことが望まれるものの、外したいと思ったときには、何かしらの工具を用いてできるだけ楽に外したいということが求められます。「締結したときには絶対に緩まないようにしたい。しかし、外したい場合にはできるだけ楽に緩めたい。」 このことはよく考えるとかなり難しいことですが、ねじを適切に用いることで、この一見矛盾するようなことを実現しているのです。ここで「適切に用いる」という部分が実はなかなか難しく、「これだけたくさんの種類があるねじをどのように選ぶのか?」ということに関しては、いくらかの知識が必要になります。

ところで、ねじには締結以外にもいくつかのはたらきがあります。工作機械の送りねじなどには一定の長さの棒の全体にねじ山があり、これが回転することで隣接する部材を移動させることができます。最近はやりの3Dプリンタでも縦方向の移動には同じく棒の全体にねじ山がある全ねじの棒が用いられています。 ここではねじの回転運動を隣接する部材の直線運動に変換していることが多く、ねじには「運動」というはたらきもあることがわかります。さらに他のはたらきを思い浮かべることができるでしょうか。 長さを精密に測定するときに用いられるマイクロメータには内部にねじが入っており、つまみを回すことでねじが回転して、この移動量から長さを導いているのです。このようにねじには「計測」というはたらきもあります。

本連載では、主に締結用に用いるための「ねじの知識」を中心にして、ねじに関するさまざまな事項を説明していこうと思います。

執筆:神奈川工科大学 門田和雄 教授

『ねじの基礎講座』の目次

第1章 ねじのキホン

第2章 ねじの種類

第3章 ねじの強さ

第4章 ねじの材料

第5章 ねじの作り方

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