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建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第3章 配管の接合方法の種類

3-1 炭素鋼鋼管(SGP)の切削ねじ接合方法

鋼管(SGP)接合方法の代表的な方法には、1.切削ねじ接合方法、2.転造ねじ接合補法、3.メカニカル接合方法、4.溶接接合方法がある。

ここでは、まず古くから最も一般的に採用されている、1.の「切削ねじ(cutting thread)の接合方法」について、解説しておきたい。この接合方法は、一般的にいうと主に小口径管(15A〜50A:注)に採用される鋼管接合方法である。

注:給排水衛生設備では、現在でも口径:65A・80Aの鋼管まで「ねじ接合」を採用している場合もある。かつては、口径:100A・125Aの大口径管までも「チントン(chain tongue)」というねじ締機を利用してねじ接合を行っていた時代もあった。

ここで、まず鋼管切削ねじ接合方法の「施工手順」について述べる。

(1)鋼管の切断

鋼管の切断は、「バンドソー管切断機」または「メタルソー管切断機」  を使用して、鋼管を水平に固定して「管軸」に直角(注)になるように切断する。注:1.0mm以上の「斜め切れ」や「段切れ」は、「偏育肉」の原因となる。

図-1 鋼管の正しい切断と悪い切断

【豆知識】ねじ切り機搭載型押し切りカッタによる鋼管切断

「切断面」は、図に示すように鋼管内に、「バリ」すなわち「まくれ(かえり)」ができるので、後述する「内面ライニング鋼管」などでは、絶対に管切断に使用してはならない。

図-2 押し切りカッタ切断による「まくれ」

(2)切削ねじ加工(ねじ切り)

鋼管の管切断が終了したら、「ねじ切り機(自動切り上げダイヘッド付き)」に「ダイヘッド」を取り付け、鋼管の管端に「切削ねじ加工」を行う。

なお、「ダイヘッド」には、「15A〜20A用」と「25A〜50A用」の2種類があるので、対象配管口径によって、ダイヘッドを付け換える必要がある。

このダイヘッドは、「チェーザ―(刃)」を保持し、「管径の切り替え」をしたり、「ねじ径の微調整機構」があり、また口径による「ねじ加工寸法(長さ)」に自動的にねじ加工をしてくれる「ねじ切り機」の優れものである。

なお、ねじ加工作業に当たっては、「軍手を」したままで絶対に作業をしないこと!手がねじ切り機に巻き込まれる「危険性」があるからである。

図-3 自動切り上げダイヘッド付きねじ切り機

ねじ加工作業が終了したら、「ねじゲージ」により「ねじ加工精度検査」を行う。ただし、加工ねじの「全数検査」は大変なので、以下のようなケースで実施する。

  • (1)ねじ切りはじめの「最低3口」は確認する。
  • (2)「ねじ切り管径」が変わったとき。
  • (3)ねじ切り口数に応じて検査をする(25Aの場合、50口程度に1回程度検査する。)
  • (4)ねじ切りを行う管の「ロット」(主として製造年月日が異なるもの)、または鋼管メーカーが代わったとき。
  • (5)チェーザの交換時(特に新品の場合、「初期摩耗」のため最低5口程度検査する。)
(3)切削ねじ込み作業

鋼管の「ねじ加工作業」が終了したら、「ねじ込み作業」に入るが、ねじ接合部の清掃・脱脂が十分でないと、「漏洩の原因」ともなるので、つぎのようなねじ込み前の準備作業が必要である。

  • 鋼管および管継手のねじ部に付着している切粉・土砂・ゴミなどの「異物」は、ブラシやウエスできれいに除去する。
  • ねじ切り油などの油分は、「脱脂洗浄剤」等で除去する。
  • 水で流せる「ねじ切り油」は水で洗浄し、ウエスで拭き取り乾燥させる。
  • ねじ部に錆が発生した場合は、これらを絶対に使用してはならない。

「管用(くだよう)テーパねじ(JIS B 0203)」は、ねじ部の「耐密性」を確保するため、ねじ部に「シール材」・「シール剤」を装着・塗布する必要がある。シール剤とシール材には「液状シール剤」と「テープ状シール材」があるが、これについては第4章で詳述したい。ねじ込み作業には、「万力台(パイプバイス)」と「パイプレンチ」が必要である。

ねじ加工した配管を「万力台」上にきちんと固定し、その配管径に応しい「パイプレンチ」で継手(めねじ)に捻じ込む。ただし、いきなり「パイプレンチ」でねじ込むわけではなく、まず「手締め」で捻じ込む。手締めでこれ以上締め付けられない位置から「パイプレンチ」で、「2山〜2山半程度」ねじ込むことがねじ込み配管接合のコツである。

「バカ力」で思い切りねじ込み過ぎると「ねじ山」が破壊してしまうので注意!

図-4 ねじ込み過ぎによるねじ山の破壊

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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