建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第4章 配管の接合方法の種類

4-3 計器(ゲージ)類

配管系に取り付けられる代表的な「計器類(gauges)」は、(1)温度計、(2)圧力計、(3)流量計の3種類である。測定計器を選定するには、「機器の特性」をよく理解し、目的にかなった「精度」のものを選定し、必要以上の計器の設置は避けること!

(1)温度計:流体の温度を測定する目的で設置するもので、その型式には「接触方式」と「非接触方式」のものがある。

1.棒状温度計:封入した液体(水銀・アルコール)の温度による「体積変化」を利用したもので、液体封入式の温度計で、「水銀温度計」と「アルコール温度計」がある。

2.バイメタル式温度計:「膨張係数」の異なる2種の金属を接着、測定温度の変化に応じて「湾曲」に変形する性質の温度計で、低膨張側に「アンバー」、高膨張側に「黄銅」が利用されることが多い。

3.デジタル温度計:上記の温度計は「アナログ式温度計」と呼ばれているが、温度による「体積変化」を利用した温度計である。それに対して、「デジタル温度計」は、金属や半導体の「電気抵抗変化」を利用した「サーミスタ」と呼ばれる「温度センサー」で温度を計測し、「数値化(デジタル化)」した温度計で、現在では各種の温度計測に広範に使用されている。

図-1 棒状温度計・バイメタル式温度計・デジタル温度計

(2)圧力計:流体の圧力を計量する目的で設置するもので、「U字管液柱圧力計(マノメータ)」などを「一次圧力計」と呼び、「ブルドン管圧力計」を「二次圧力計(隔測式圧力計)と呼んでいる。

1.U字管液柱圧力計(マノメータ):主にダクト内の圧力測定に利用され、マノメータにも「U字管型」・「単管型」・「傾斜型」などがある。

2.ブルドン管圧力計:この圧力計の構造は、「プルドン管」・「変位拡大機構」・「指針」および「目盛り版」から構成されている。その種類には、「圧力計」・「真空計」・「連成計」があるが、原理は「ブルドン管」に圧力が加わると、管は「真円」に、曲がりは「直線」に戻ろうとして「弾性変位」を生じるので、その変位を拡大して圧力を測定するものである。

図-2 U字管液柱圧力計(マノメータ)とブルドン管圧力計

(3)流量計:流体の流量を計量する目的で、設置される計器で、「差圧式」・「面積式」・「容積式」などがある。その他、「電磁流量計」・「超音波流量計」などがある。

1.差圧式流量計(オリフィス流量計):流体の流れる配管の途中に「オリフィス」を挿入しその前後の「圧力差」から、流量を測定する流量計。(JIS Z 9211)

2.面積式流量計(フロート式流量計):垂直に立てられた「テーパ管」と「浮き子(フロート)」を組み合わせた流量計で、別名「浮き子式面積流量計」とも呼ばれる。

 「浮き子」と「テーパ管」の「すきま面積」が高さに比例し、この高さで流量を測定することができる。「浮き子」を回転させ「自立性」を持たせたタイプと「ガイド軸」を設けたものがあり、前者を「ロータメータ」と呼ぶことが多い。(JIS B 7551・JIS Z 8761)

3.容積式流量計:「一定容積」の容器に液体を充満して、次々に送り出す方式の流量計で、その構造は様々な種類が考案され実用化されている。

その一例としては、「オーバルギア式流量計」の他に、「スパイラル回転子式」や「ロータリーピストン式」などがある。

図-3  オリフィス式流量計・フロート式流量計

4.電磁式流量計:この流量計は、その名も示す通り「ファラデ―の電磁誘導」を利用して流量を検出する流量計である。この流量計の内部には、磁界を発生する「電磁コイル」と起電力を捉える「電極」がある。このため、電磁流量計の「通水管内部」には何もないようにみえるが、流量を測定することができる。

図-4 電磁流量計とその原理
執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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