建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第2章 建築設備用配管材料の種類

2-3 銅管

昔から”銅壺の水は腐らない!”というように、銅は「抗菌作用」を具備している。また、銅というと日本史に興味ある人なら、先ず708年(和同元年)に日本で鋳造された銅貨:和同開珎を連想するのではないだろうか?

 

ところで、銅管の原材料となる、先ず銅(copper)は、1電気高伝導性、2熱高伝導性、3非磁性、4耐食性、5耐低温特性という素晴らしい特性を具備している。

従って、銅管は、管表面の「保護膜」により「耐食性」があり、-50℃程度の低温にも使用でき、なおかつ、「展延性」・「耐震性」・「殺菌性」があり、軽重量で施工性に富み、かつ経済性にも優れているなどの特徴がある。したがって、建築設備工事では、古くから衛生設備(給水配管・給湯配管・医療配管)などに多用されてきた。

最近では、特に空調用設備配管の空調用ビルマルチの「冷媒(フロン系)配管」などにも多用されるようになってきている。この銅管は、既述のSGP・STPGに比べ、50A以下の小口径管に多用されている。ちなみに、銅管には次の2種類に大別できる。

(1)建築設備配管用銅管:一般に使用される銅管は、「JIS H 3300(銅および銅合金継目無管)・C1220(りん脱酸銅)」で、水道用銅管には日本水道協会規格:JWWA H 101が使用されている。 この銅管は、管厚の厚い順に、Kタイプ(高圧配管用・配管サイズ:8A〜50A)・Lタイプ(ガス配管・給水給湯管用:配管サイズ:8A〜150A)・Mタイプ(給水給湯管用・一般配管用・配管サイズ:8A〜150A)の3種類に分かれているが、一般にはMタイプを使用する。

熱膨張係数は、SUS管とほぼ同じであるが、SGPに比べると1.5倍にもなるので、銅配管の施工に当たっては、「配管の膨張対策」には十分留意したい。

(2)一般冷媒配管用銅管:この配管は、「冷凍装置(ビルマルチユニット)」間に冷媒を通す一般冷媒管のことで、「冷凍機ユニット」内の冷媒配管とは異なる。

なお、寸法は「JIS B 8607」(冷媒用フレア及びろう付け管継手)の付属書に明記されている。この冷媒配管は、最高使用圧力によって、第3種管(最高使用圧力:3.45MPa)・第2種管(最高使用圧力:4.30MPa)・第1種管(最高使用圧力:4.80MPa)がある。

なお、銅管には熱処理の方法により「硬質銅管」・「半硬質銅管」・「軟質銅管」に分類されるが、現場での施工には、4m定尺の「硬質銅管」・「半硬質銅管」を持ち込むより、20mの「軟質コイル」を採用すると便利である。

【豆知識】「軟銅管(軟質銅管)」と「硬銅管(硬質銅管)」

銅管には、「軟銅管」と「硬銅管」と「半硬質銅管」がある。これらの違いは「熱処理」の違いに起因するものである。「純銅」は、常温で線引・圧延・引き抜きなどを行うと硬化し、いわゆる「硬銅」となる。「硬銅」は引っ張り強さは高いが、導電率は低下する。 従って、純銅の加工性・導電性などを改善するために、「焼きなまし炉」で「250〜350℃」に加熱するか、硬銅に電流を通して発熱させ、「自己焼きなまし(self-annealing)」をして、巻き取る「連続軟化方式」が行われている。

ちなみに、銅管には、「調質」によってJISでは、O・OL・1/2H・Hの4種類の符号が付けられている。

  • O:完全に再結晶したもの、または焼きなましをしたもの。
  • OL:焼きなましをしたもの、または軽い加工を施したもの。
  • 1/2H:半硬質のもの。
  • H:冷間加工のままの硬質材。

 

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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