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建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第3章 配管の接合方法の種類

3-7 一般用銅管(JIS H 3300:通称Cu)の接合法

代表的な銅管の接合法には、1.軟ろう付け(はんだ付け)接合法、2.硬ろう付け(ろう付け)接合法、3.機械的接合法(メカニカル接合法)がある。

一般用銅配管(JIS H 3300:通称C)には、肉厚によりK・L・Mの3つのタイプがあることは、既述の通りであるが、ここでは銅配管接合の原点であり、最も頻繁に採用される、上記の1.と2.について紹介することにする。

「ろう接」という用語があるが、これは「溶加材(はんだ・ろう)」を用いて、母材(銅管)をできるだけ「溶融」しないで、「ねれ現象」によって接合する方法のことで、「はんだ付け」および「ろう付け」の総称である。

一般用銅管接続法の手順としては、「パイプカッタ」で銅管を管軸に垂直に切断し、「リーマ」で切断面の「バリ取り」をする。この後の工程は、銅管のつぶれ修正⇒継手との嵌合具合の確認⇒接合面の仕上げ⇒フラックスの塗布⇒継手との嵌合⇒接合部の加熱(トーチランプまたはプロパンバーナ)となる。

この工程の中の「フラックスの塗布」であるが、フラックスは加熱によって「気化」するので、多量に塗布すると「気化圧」のために「ろうの浸透」を阻害し、漏れの発生の原因ともなる。使用する際には、よくかき混ぜて「専用ブラシ」で塗布する。

図-1 フラックスの塗布範囲

【技術用語解説】ねれ現象とは?

溶融ろうが、接合面に馴染んで広がって行く現象。ろうが接合面に“よくぬれる”条件としては、酸化被膜や異物がないことおよび適正なろう付け温度が確保されていることの2点である。

1.軟ろう付け(はんだ付け)接合法:「はんだ付け」とは、英語で“soft soldering”とも呼ばれ、融点が「450℃未満の溶加材(はんだ:solder)」を用い、母材(銅管・継手)をできるだけ融かさない状態で、フラックスによるぬれや銅管と継手の間にできるわずかな「隙間(ギャップ)」に生じる「毛管現象」によりはんだを充填(流入)させることによる銅管接合方法である。銅管と銅継手の隙間(ギャップ)を適切に保つことが重要で、「0.01mm〜0.02mm(引張強度:60kgf/mm2)」程度が最も好ましい。

写真-1 銅管の「はんだ付け」のポイント

2.硬ろう付け(ろう付け)接合法:「ろう付け」とは、英語で“hard soldering”と呼ばれ、「はんだ付け」に対し、融点が「450℃以上」の溶加材(ろう)を用いる銅管接合法である。銅管と銅継手の隙間(ギャップ)を適切に保つことが重要で、「0.05mm〜0.15 mm(引張強度:40kgf/mm2〜90kgf/mm2)」程度が最も望ましい。硬ろう接合法は、呼び径:40mm以上の銅管や強度を必要とする場合(冷媒銅配管)に採用される。

写真-2 銅管の「ろう付け」のポイント

ちなみに、ろう付けの種類には、使用するろうの種類により、りん銅ろう・銀ろう・ア ルミろう・ニッケルろう・金ろうなどがあるが、もっとも一般的に使用されているのが「りん銅ろう」と「銀ろう」である。

図-2 ろう付けの間隔(ギャップ)と引張強度の関係

 

【豆知識】硬ろう付けの留意点

上述のように、この銅接合法は、「毛管現象」により「溶融ろう」を吸い込ませる原理に基づいているので、あくまでも適正な「隙間(ギャップ)」を確保することがもっとも重要である。しかし、口径が大きく(呼び径:40A以上)なると、隙間(ギャップ)にバラツキができ適正な隙間(ギャップ)が確保できなくなる。間隙(ギャップ)が0.2mm以上になると「毛管現象」が十分機能せず、「ボイド(注)」などの欠陥が発生しやすくなる。

注:ボイド(void)=接合部に「はんだ」や「ろう」が十分に行き渡っていない欠陥ろう付け部分。

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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