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空調設備の基礎講座

私たちは、室内外の状況変化に応じて温度や湿度などを調節するために、暖房、冷房、換気などの「空調設備」を使用します。本連載では、空調設備の役割・目的から各種設備の特徴まで、快適に過ごすために知っておくべき基本的な事項を紹介していきます。
第4章 熱搬送設備

4-8 ラインポンプ・オイルポンプ

前述したボリュートポンプやタービンポンプなどの渦巻きポンプは、内部の流体を高いところや遠いところに運ぶ代表的なポンプです。ポンプといえば、この渦巻きポンプを連想するのが普通ですが、ポンプの種類は他にもさまざまなものがあります。ここでは空調設備でよく使われるポンプをいくつか紹介します。

ラインポンプ

大規模な空調設備では熱源機器でつくった冷水や温水、クーリングタワーの冷却水などを循環させる必要があります。「ラインポンプ」はポンプの吸込口と吐出口が配管と一直線になっているのが特徴で、流体を循環させるのに特化したポンプです。小型、軽量につくられたものはポンプの下に基礎が必要ないので、配管の途中に繋げやすいつくりになっています。

ラインポンプ

オイルポンプ

 「オイルポンプ」は、例えばボイラなどの燃焼する機器で使う燃料輸送用のポンプです。歯車(ギア)を利用するので「ギアポンプ」ともいいます。内部の燃料は回転する歯車とケーシングの間に挟まれて運ばれます。オイルポンプは粘度の高い液体を運ぶことに特化したポンプで、重油などを燃料にするボイラではこのようなポンプが必要になります。

オイル(ギア)ポンプ

軸流ポンプ

羽根車の回転軸と同じ方向に内部の流体を送り出す構造のポンプを「軸流ポンプ」といいます。軸流ポンプはボリュートポンプやタービンポンプと同様に非容積式ポンプの仲間ですが、回転軸と直角方向ではなく、軸と同一方向に流体を送り出す構造になっているのが特徴です。一般に遠心式の渦巻きポンプに比べると低揚程ですが、ポンプ自体をコンパクト、かつ、羽根車を高回転に設計することができて、揚水量の多い排水などの用途でよく使われるポンプです。

軸流ポンプに似ていますが、完全に軸方向ではなく、軸に対してやや斜め方向に流体を送り出す構造のポンプを「斜流ポンプ」といいます。斜流ポンプは軸流ポンプより高揚程に設計できて、かつ、渦巻きポンプより小型で高回転に設計できます。軸流ポンプと渦巻きポンプの中間的な特性を持っています。なお、軸流ポンプや斜流ポンプを総じて「プロペラポンプ」ともいいます。

執筆: イラストレーター・ライター 菊地至

『空調設備の基礎講座』の目次

第1章 空調設備を学ぶ前に

第2章 空調方式

第3章 熱源と主要機器

第4章 熱搬送設備

第5章 空調設備と省エネ

第6章 個別暖房と直接暖房

第7章 換気設備

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