工具の通販モノタロウ 空調・電設資材 空調設備の基礎講座 継手と弁(バルブ)の種類

空調設備の基礎講座

私たちは、室内外の状況変化に応じて温度や湿度などを調節するために、暖房、冷房、換気などの「空調設備」を使用します。本連載では、空調設備の役割・目的から各種設備の特徴まで、快適に過ごすために知っておくべき基本的な事項を紹介していきます。
第4章 熱搬送設備

4-13 継手と弁(バルブ)の種類

継手

鋼管のねじ込み接続を例にすると、配管の曲がりに使うエルボ、分岐に使うチーズ(ティー)、雄ねじ同士の接続に使うソケットなど、さまざまな継手があります。使う配管材が変われば継手もそれに合わせてさまざまですが、基本的な継手の形状として、エルボ、チーズ、ソケット程度の名称は覚えておきましょう。

継手の形状

熱によって伸縮する配管系統には伸縮継手が使われます。伸縮継手は前述した通り、配管の軸方向の変位を吸収する継手です。一口に伸縮継手といっても材料によって種類はいろいろですが、鋼管用としてはスリーブ形、ベローズ形などがあります。

ベローズ形伸縮継手

塩化ビニル配管用の伸縮継手もあります。圧力のかからない排水用などでよく使われる「やりとり継手」も伸縮継手の一種です。

伸縮継手

ポンプなどの振動する機器との接続部分には振動や変位を吸収したり、配管の芯のずれを補正するなどの目的で防振継手が使われます。ゴムの柔軟性を利用するタイプの製品や耐久性の高いステンレス製のフレキシブルホースもあります。

フレキシブルホースなどは、建物の壁面の貫通部分やエキスパンションジョイントなど、地震による変位が予想される部分にも使われます。

フレキシブルホース

弁類

配管系統には流体の流れを止めたり逆流を防いだりなどの目的で弁(バルブ)類が適所に使われます。手動のものや機器と連動する自動制御のものまでさまざまなものがあります。

仕切り弁(ゲートバルブ)は流体の流れを弁体で仕切る構造のバルブです。流量調節というより、主に弁を開けて流す、あるいは閉じて流れを止めるといった全開か全閉で使うバルブです。

玉形弁(グローブバルブ)は内部の流体がS字に流れるつくりになっていて、ハンドルを回して弁体を上下させることで、流量を調節するのに適した構造になっています。

バルブ

バタフライ弁(バタフライバルブ)は円板状の弁体を回転させて流路を開閉する構造のバルブです。

ボール弁(ボールバルブ)は穴の空いた球状の弁体を回転させて流路を開閉します。バルブ自体を小さく設計できる特徴があります。

バルブ

逆止弁(チャッキバルブ)は逆流を防止するバルブです。スイング式のチャッキバルブは弁体がスイングする構造になっていて、流体が正常に流れているときは流体の圧力で弁が開きますが、逆流が起こると弁が閉じて逆流を防ぐ構造になっています。

バルブ

執筆: イラストレーター・ライター 菊地至

『空調設備の基礎講座』の目次

第1章 空調設備を学ぶ前に

第2章 空調方式

第3章 熱源と主要機器

第4章 熱搬送設備

第5章 空調設備と省エネ

第6章 個別暖房と直接暖房

第7章 換気設備

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